ヒロトシ さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
色んな意味で『ずるい』アニメ
本格的なオカルト要素を盛り込んだアニメの登場か!と思ったら、その時点で既に制作者の術中にハマってしまったの巻。じゃあオカルトという名前を被ったギャグアニメか!と思いきや、終盤ではまさかの戦闘劇に。なんだ結局異能バトルじゃねーか!あれ!?ラストは感動的だぞ!?なんだ結局ry
脚本家によって非常に出来も違いますし、ジャンルも違う作品と言ってよく、良い見方をすれば、バリエーション豊かな作品。さて、本来ならばこのような要素は批判の対象になってもおかしくないのですが、このアニメがズルイのは『オカルト』という部分を強調している事。『オカルト』というのはうさん臭い部分・無茶苦茶な部分も含めて、『オカルト』なのです。
この作品全体に漂うチープな雰囲気が、なんでもありを視聴者に納得させてしまっている部分は否めません。勿論こうしたのを嫌う人もいるでしょうが、好きな人にはたまらない作品でしょう。そういう意味では好き嫌いがかなり分かれるアニメだとも思います
とはいえ、最終回に向けての伏線はきちんと張っており、カレー・携帯電話・美風といったパズルが終盤になって見事に完成していく。急展開すぎるという点もあるのだろうが、この作品だからこそ許される展開。この後の某魔法少女ばりの魔法バトル。この作品だから許される展開。まあ正直細かいツっこみ所は多いのだが、このいい加減さが実にたまらない。これぞ『オカルト』である。このいい加減さは登場人物にも引き継がれており、見た目に反して万能なJKや巨大レンチを振り回すスマイル。こずえの空気読めなさっぷり。特にこずえは回を追うごとにギャグ成分が暴走していった感があります。そういう意味で言えばマヤの唯我独尊っぷりはもうちょっと変化球的な所も欲しかったのが本音だけど、日笠さんの演技力もあり、及第点だったと思う。
好きだったのが、次回予告時に流れるBGM。ノストラダムスに合わせてか、90年代後半に流行った当時のJPOPを作品の登場人物がノリノリで歌うという演出が良かった。
世代的にこの年代のヒット曲というのはどれも聞いた事あるばかりのもの。妙に懐かしく、ノスタルジックな気分に浸れた。
つくづく私はこの作品と相性が良かったと思う。理屈なしにこの作品は楽しめました。裏を返せば雑な所も多かった作品なんだが、オカルトいう不確かな要素をメインに据えた事でそれを誤魔化した所はある。色んな意味でズルイアニメなのだが、そういうアニメもあってもいい。