ギータ さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
友人、恋人、家族 追記2:第3者の動き 追記3:変わっていくものと変わらないものについて
すべてにおいてレベルの高い作品ですが、言ってしまうと2期のための下準備です。それほど2期のレベルの高さが異常です。
と言いつつも何回かこの1期に泣かされているのですが(笑)
個人的に好きなシーンは{netabare}テニスコートのシーンと演劇が始まる前のシーンです。あれは、ゲーム原作ですが、ゲームでは絶対再現できない、ゲームを超越したシーンでした。
あの杏の目の動き、それから泣くシーンは伝説級です!あんな作画、アニメーションを見ることはこの先ないかもしれません。
そして、置鮎さんの熱演は本当に鳥肌、涙腺崩壊ものでした。魂こもってます。古河秋生という父親からの魂の叫びでした。{/netabare}
追記:うさぎドロップでの追記がこちらにもリンクしそうだったので少し書きます。
うさぎドロップの追記は{netabare}子育ては自分を犠牲にしているか{/netabare}というものでした。
ここからclannadの一場面をあげて2作品のリンクについて書きます。
{netabare}
clannad1期の名場面としてラストのアッキーの魂の叫びがあります。
子の夢が親の夢なんだよっ!
おまえが叶えればいいんだっ!
俺たちは、おまえが夢を叶えるのを夢見てんだよっ!
俺たちは、夢を諦めたんじゃねぇっ
自分たちの夢をおまえの夢にしたんだっ!
親とはそういうもんなんだよっ!
家族ってのはそういうもんなんだよっ!
だから、あの日からずっと・・・
パン焼きながら、ずっと・・・
俺たちは、それを待ちこがれて生きてきたんだよ!
熱演も光ることながら、セリフ内容も素晴らしいものがあります。まさに心からの叫びです。
古河夫妻は言ってしまえば渚のせいで夢を諦めた人たちです。本人たちはそんなことはないと思っても、渚はそうなんだと思い込んでしまったわけです。
渚のせいで二人の夢は犠牲になったわけです。しかし、秋生はそうではないと、犠牲になったわけではない、自分たちの夢を渚の夢に変えたのだと、そのために一生懸命渚を育ててきたんだと叫びます。
今は私も夢を追っています。それでもその夢を捨ててでも大切にしたい、しなければいけないものが見つかった時は、アッキーのような気持ちを心から思った上で行動できる人間になりたいです。
{/netabare}
追記2:第3者の動き
これを書くのを忘れていました.すでに書いている人もいるかもしれませんが,クラナドは第3者の動きが半端ないくらい丁寧に描かれているんです.
{netabare}例えば,話しているのがともや,聞いているのが渚,そしてその傍らで歩いてるのが杏や椋だとします.その時スポットはともやと渚にあたっているものの,傍らにいる杏や椋の表情の変化まで細かく描写しています.逆にともや渚をぼかして,後ろの杏たちにピントを合わせたり,話に参加してない杏を映して感情変化の部分を見せたりもしています.
直接ともやと話してないときでも,これだけ細かく描写していたら,自然と気持ちを読み取れたり,感情移入したりできるわけです.そして,この“自然と”というのがポイントです.
その描写は露骨にやっているわけではありません.少しずつ積み重ねるようにしていくから,絶妙な心情表現ができていると思います.
それが伝説のあの回に爆発するというわけです.
逆にこの第3者の視点を意識して視聴したら,本当に作りこまれたアニメだなと思えますよ.特に椋の映し方が本当にすごいです.これだけ細かいところまで伏線を張っていたのかと.一度注目して視聴されてみても損はしないと思いますよ.{/netabare}
追記3:変わっていくものと変わらないものについて
{netabare}この前の花畑巡礼で、こういうことを凄く考えるようになりました。町の変化などはアフターで特に取り上げられていますが、1期でもそれについて触れている回があるので、少し考察します。
18話の智代のセリフにこんなのがあります。
「町は変わっていく。
でも、この桜並木を大事に思っている人もたくさんいるんだ。
私だけじゃない、この町に住む多くの人がそう感じているんだ。
どんなに冷え切っているように見えても大事なところは変わっていない。
家族にもそういう何かがあるんじゃないかと私はそう思う。」
実際書いてみれば、後半の展開を示唆している大切なセリフだったことにも気付きますね。
こういう状況の町って結構あると思うんですよね。私の町もアフターのレビューで挙げましたが、あの花畑がどんどん無くなってきてます。昔のような誇りは薄れてきていると思います。それでもやはり、どれだけ変化しても大事なところは変わってないと思うんです。この先、花畑は町民によってずっと語り継がれ、町民の心に残り続けると思うんです。
通っていた母校の廃校、通学に使っていたローカル線の廃線、ファンだった選手の引退など、日が経つにつれ様々な変化が起き、変わってほしくないことも時には起こります。でも、どんなに変化が起きても、大切にしていた気持ち、大好きだった気持ちは変わらないと思います。
本当に大事なものは目に見えないところにあるのではないでしょうか。いかにも聞いたことがあるような言葉を使ってみました(笑)でも、こうやって考えて見ると、この言葉も間違ってないよなぁという気持ちになります。
私はこういう考えをしましたが、人によってとらえ方が違うシーンだと思うんですよね。私でも他にあと2つくらい違う考えが浮かんでますからね(笑)
考えた中でも、私はこういう考えで生きていきたいなぁという願いも込めた考察を書いてみました。
私の故郷の花畑もどんどん変わっていくと思いますが、智代まではいかなくても無くならないように少しでも力を貸したいし、変化しても大事なものが他にあることを胸に抱いて、花畑のある町の町民として誇りに思っていきたいです。
一応、アフターのレビュー見てない方のために
アフターに花畑回があるのですが、そのモデルになった町が私の故郷です。昔は菜の花畑の面積がダントツで日本一でしたが、今は大部分が姿を消しました。{/netabare}