ギータ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
これこそ設定を生かしたアニメといえます
タイトルですでにどんなアニメか予想できてしまうと思います。それゆえに、見る前から判断してしまってこのアニメを敬遠してしまった人もいるのではないでしょうか。安心して下さい。間違いなくその予想を打ち砕く内容になっています。
確かに地震を扱うアニメですが、実際は地震に遭った人々を中心にスポットを当てた人間ドラマとなっています。
もちろんですが、設定は大きいものだったり、複雑なものであるほど扱うのが難しいです。学園物や日常物ならまだやりやすくても、死後の世界だったり、ループしているものなどは難しいんです。視聴者に伝わるようにさりげなく説明したり、それでいて物語のテンポを悪くしないよう意識したり、矛盾点が無いようにするなど、難点が多いのです。
東京マグニチュードも実際の被害想定などを考えて構成されていますが、それを伝えながらも、一つの物語を成立させなければアニメにならないのです。地震という題材はあるものの、自由度はかなり狭まるため、脚本はすごく大変だったと思います。
以上のことを抜きにしても、また、それを踏まえて考えるとさらにこの物語は素晴らしいものであったと私は思います。
前述したとおり、登場人物にしっかりスポットを当て、地震に遭った中でどういう行動をしていくか、どういうことを感じ、どういう成長をするかというような人間ドラマとしてこのアニメをしっかり成立させています。
まさに、設定を生かして素晴らしい作品に仕上げたと言えると思いました。
最後に
※見てない人にとってこれ以上のネタバレはありません。
見てない人は絶対に開かないでください。(フリではありません)
{netabare}
「私の弟に生まれてきてくれてありがとう」
この言葉にこの物語の全てが詰まっていると感じました。
私が見てきたアニメの中でも屈指のセリフであり、Airの次くらいに印象の強いセリフかなと思います。
この物語は様々な人にスポットは当てているものの、一番中心となっているものは未来の成長です。
最後のセリフは震災を通しての未来の成長を表すものであり、亡くなった弟への別れの言葉でもあり、いろんな葛藤や人々の出会い、成長があったからこそこの言葉には視聴者の心を震わせる力があるのです。
最後に一言で物語を表せるアニメ、その言葉に本物の力が宿るアニメというのは滅多にないと思います。
私の中では文句なしの名作です。このようなアニメがこの先に1つでも多くでることを願っています。
{/netabare}