たつじん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
日本特有の「わび・さび」を感じさせる作品
日本のメディア芸術100選のアニメということで以前から気になっていた作品です。
全26話と少し長めですが、1話完結のストーリーなので、短編小説を読んでいるような感覚で・・・話数を飛ばしても観れます。
ただし12話の眇の魚(すがめのうお)は、主人公ギンコの幼少期を描いているので観ておくことをお勧めしますが・・・。
主人公は蟲師を「なりわい」とする白髪で緑眼のギンコ。
言うまでもなく「蟲」とは昆虫の「虫」ではなくて「物の怪」や「精霊」に近い存在で・・・
作中では自然界に動植物と共存している「異形のもの」として表現されています。
ギンコが旅をしながら、この「蟲」によってもたらされた「わざわい」から人々を助ける物語です。
そういえば昔、祖母が夜泣きのひどかった妹に「この子はカンの虫がひどい」とか言って、何かを呟きながら小さな手を摩っていると、糸のようなものが出てきて不思議に思ったのを想い出しました。
あれって、この「蟲」の仕業だったのでしょうか?
時代背景が今から100年以上前ということで、藁ぶき屋根の家や野山・海が、そこに住む人々とともに淡い色彩で描かれています。
「ギンコ」の独特な風貌・「蟲」という未知の存在・美しい「四季の風景」がこの作品の世界観を見事に作り上げています。
この作品には日本特有の「わび・さび」を感じさせるものがありますね。
いたって単調な作品なので、途中断念する方も多いでしょう。
だから、他の作品の合間(箸休め的)に観てもいいんじゃないでしょうか・・・。
かくいう私も最初はそのようにして観ていましたが、気が付くといつの間にかこの世界にどっぷりハマっていました。