STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
強くなってきた負の側面
原作は未読。
基本的テイストは1期、2期と同じ。
1期では夏目と妖怪との交流、2期では夏目と人との交流がそれぞれ印象的だったが、
そこで培ったつながりは本作ではより深くなっていったようで、妖怪達はついに「夏目組」や
「犬の会」などと称して夏目の部屋で酒盛りをするようになったり。人との交流では文化祭の
ような校内行事や養父的存在である藤原 滋との旅行などもあったが、こうしたイベント的な
もの以外にも夏目の妖怪に関わるトラブルに田沼 要や多軌 透が協力したり、北本 篤史や西村
悟が夏目を思いやるシーンなどが随所に描かれていた。この繋がりを象徴していたのが、
最終話である十三話だったのかな。
こうした夏目にとって楽しげな日々と対比させるように、本作では辛く悲しい時期だった
過去が多く描かれているが、こうした過去が克明に描かれることで、より今が夏目にとって
幸せな状況にあることがよく判る。
つながりと言えば、多軌や笹田 純の夏目に対する気持ちってどうなんだろう?。
二人とも他の男子以上に夏目に対する好意がありそうだが、明確に恋愛感情を持っている
ことは描かれておらず、あくまで友情の範囲なのか判らない。
まあ、あまり深い人間関係を描かず、フワーッとしたところで落ち着かせているところが
この作品の持ち味なんだろうけど。
こうした楽しいことばかりじゃないのがこのシリーズの特徴で、2期で問題提示されてきた
夏目にとっての人と妖怪の選択問題がより大きくなってきた感じ。
2期で存在が明かされた的場一門はついに当主の的場 静司が登場。妖怪は使役するか、
祓うかのみの存在とする的場一門は、夏目にとって相容れない存在として今後も大きく
関わっていきそう。
もう一方の祓い屋である名取 周一は夏目の影響もあってか?、登場した当初に較べると
考え方が変わってきた感がある。これは夏目だけでなく式として名取に使役することになった
柊の存在もありそう。しかし、人と妖怪のいずれかを選択しなければならない状況になった
場合、夏目と違って躊躇なく人側に立つ割り切りは今でも持ち合わせているような感じ。
一方、妖怪の方も夏目にフレンドリーな存在ばかりではない。
夏目にとって今の状況が幸せであればあるほど、それを守ろうとする意識は強くなる
はずで、本作は今まで以上にバトル展開が多かったように思える。
夏目が人と妖怪のいずれとも交流を持つことにより、夏目が一種の媒介として回りの人に
危害が加えられそうになる展開も多く、これは夏目のジレンマとして今後も彼を悩ましていく
ことになりそう。