こたろう さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
黒いめるへん
その作品タイトル名どうり、我々人類が衰退してます。
人類が栄華を極めた後の未来なのか、それとも架空の世界のお話なのか。
ともかく、科学文明社会は過去の遺物となった世界で、細々と生き永らえている人間と、新たな地球人類となった謎多き妖精さんとが絡む様々なお話。
雰囲気はメルヘンですが、結構な辛口です。
妖精さんは重要な登場人物ではありますが、本作はあくまで人間の目線でのお話。
特別に大きな事件が発生するようなストーリーではありません。、
衰退してしまった人間の日常。その中で妖精とコンタクトのとれる主人公が厄介事に巻き込まれるという構成。
1つのエピソードは1~2話で完結します。
コメディタッチではありますが、話の根幹は非常にシニカル。
文明や文化、人間社会の愚かさに対して風刺したようなネタを、高次な生き物である妖精さんが興味本位で介入してドタバタな事件に発展します。
良識的な物腰で見た目可愛らしい主人公も、実態は結構スレていて計算高い。(とはいっても根っこのところはお人好し)
事件に巻き込まれる当事者でありながらにして、俯瞰したところから冷笑的に物事にツッコミを入れる名ストーリーテラーです。
彼女の「語り」が本作の最大の味であり魅力。声優さんもお見事でした。
世界観の詳しい説明が無かったり、話数で時系列の入れ替えがあったりと、とっつきにくい構成ですが、物語自体はそれほど難しくありません。
元々が皮肉な内容だけに、娯楽性を求めるよりは、ある程度年齢を重ねた人が苦笑して楽しむ類のコメディ。万人向けとはいえませんが、とても良くできた作品でした。
黒いジョークがお好きな方、オススメです。