かしろん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
清々しいザ王道と変な設定の巧いギャップ
【最後まで見て・ネタバレ大有り】
あらすじ{netabare}
戦車道。礼儀礼節を重んじ、凛々しき姿勢の元、戦車をもって戦う。これが華道、茶道などと並び大和撫子の嗜みの一つとされている世界。
大洗女子学園に一人の女生徒が転入してきた。
西住みほ。引っ込み思案でなかなか友人が出来ない少女。
彼女が転入してきたのには一つの大きな理由があった。{/netabare}
Another、BLOOD・Cにて血みどろ劇、直前クールでじょしらくの監督をし、ギリギリアウトな作品を世に送り続ける水島努監督オリジナル作品。
キャラクター原案をストライクウィッチーズの島田フミカネ氏が担当。
感想{netabare}
物語:パチパチパチパチパチパチ。拍手拍手。
作品に熱があるのを感じれる素晴らしい内容だわ。
いやー、巧い。徹頭徹尾、やってる内容はザ王道というべきなんの捻りもない超ベタ。可愛い女の子と格好良い戦車というギャップや設定のお陰でこのベタベタな王道を非常に巧く感じる仕掛けが良く、見終えて清々しく気持ちいい。
・強豪校から弱小校への転校
・その転校はワケありでトラウマを抱えている
・友人の力を借りてトラウマを乗り越える一歩を踏み出す
・第一の敵が現れ、惜敗するも主人公の能力の高さの一端が垣間見られる
・どんどん強い敵が現れて主人公や仲間が成長していく
・巻き込まれた出来事に真実が隠されている
・ラスボスは肉親
・最終決戦において一人、また一人と倒れていく仲間たち。
・ラスボスとの一騎打ちはボロボロになりながらも捨て身の一撃で
ザッと書きだしただけで何たる少年漫画的ベタ。
戦車道なる訳の分からない設定で、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん」のキャッチコピーから「ストパン」と呼ばれる「ストライクウィッチーズ」の島田フミカネをキャラデザにして略は「ガルパン」と呼べよと有無を言わせぬ「ガールズアンドパンツァー」という題名に、ゆるい学園モノとして発表されたキャラクターからここまでベタなネタをやるとは想像出来なかった。
ザ王道にちょいちょい挟まれる伏線と見ていて気持ちよく楽しい作品で本来なら★4.5でもいいんだが、スケジュール調整に失敗したのは頂けない。マイナス要因だ。
作画:終盤にとっ散らかるが、全体的には整っている。
なんと言っても戦車戦の見せ方が巧い。実戦車の動きはよく分からないし知らないんだが、劇中戦車の動きをリアルと感じ、アニメとしての見ていて気持よく豪快な動かし方はこの作品成功の大きな力となっている。
CGをあれだけグリグリと動かすと独特の軽さが出てくいるもんだが、ローアングル時や砲撃時に画面全体を小刻みに縦揺れさせることで重さによる振動を表現し、全くといっていいほどこの独特の軽さを感じさせない。
声優:よく合っている。椎名へきるの声を久々にちゃんと聞いた気がする。
渕上舞や中上育実の今後の活躍に期待したい。
音楽:OPEDとも耳に残る明るい曲。劇中歌のあんこう音頭や劇中曲も分かりやすい曲が多く内容に合っている。
キャラ:最後までキャラの名前を覚えられなかったが、どのチームどの学校に所属していると分かればまぁ十分だろう。{/netabare}
全く戦車に触れたことが無かったが、「この戦車なんて名前だ?どんな戦車なんだ?」と調べてみたり、「うぉープラモデル出るのかっ!欲しい!」と思わされたりしているだけで、このアニメは成功なんだろうな。
H25年1月~放送中の琴浦さんといい、初見とのギャップ作品が増えてるなぁ。
可愛い魔法少女ものと見せかけてシリアス路線を突っ走ったまどかの影響がアニメ界にあるのかな?