「たまゆら~hitotose~(TVアニメ動画)」

総合得点
74.9
感想・評価
1110
棚に入れた
5093
ランキング
858
★★★★☆ 3.8 (1110)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.8
キャラ
3.8

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ネタバレ

てけ さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

暖かいお話。ふわりふわりと迷ってもいいじゃない!

オリジナルアニメーション。
内容としては、OVA「たまゆら」の続きとなっています。

「たまゆら」のレビュー → http://www.anikore.jp/review/451663/

5年前に父親を亡くした沢渡楓(さわたりふう)。
父親は写真好きで、楓もそれについていったものの、父親の死に遭遇して、一時期写真をやめてしまう。
しかし、ふとしたきっかけで、再び写真を撮り始めることに決める。
この辺は、本編でもOVAで語られていますね。
「たまゆら」を見ていなくても簡単な説明がありますので、内容には入っていけると思います。


テーマは「夢」「人と人とのつながり」。

生まれた瞬間からやることを決めて、それにまっすぐ進む人間なんていません。
「夢」そのものだって変わるし、同じ夢でも「取り組み方」や「想いの強さ」は、刻一刻と変わっていく。
一人では解決できな迷いも、周囲の力を借りながら克服していくものでしょう。

それは、夢に迷いがちな中高生に限らず、大人になっても同じこと。
迷いに迷って、今の自分がある。
{netabare}
それでも「行き先のない切符」が暗示するように、ふわふわと「たまゆら」のごとく迷い続ける。
{/netabare}
どの瞬間を写真に納めても、違った感情が見えてくると思います。


このアニメの魅力は、次の3つ。
・暖かい物語
登場人物がみんな優しくて暖かいです。
こんなにいい人ばっかりだったら世の中平和でしょうね。
殺伐としたエピソードがない……見てて本当に幸せな気分になります。
暖かさでホロリと泣けてくるんです。

・お腹が空く絵柄
毎回のように出てくる「食べ物」がとにかくおいしそうです。
スイーツ、お好み焼き、その他もろもろ。
おばあちゃんの作るお菓子は、食べた瞬間のみんなの顔を見るだけで、こちらの顔までほころんできます。
中でも一番おいしそうだったのは桃猫さま……おっと誰か来たようd

・ご当地アニメとして
私は行ったことがありませんが、舞台となっている広島県竹原市の風景が綿密に再現されているそうです。
何枚か写真と見比べてみましたが、実物そのままでした。


逆に欠点は長所の裏返しです。
・起伏がない
みんな暖かくて優しい人なので、事件らしい事件が起こりません。
夢に向かってふわふわと、あっちへいったり、こっちへいったり……。
ドラマチックな展開を求めている人には物足りないかもしれません。
また、「つながり」を重視した結果、偶然が重なりすぎている気がします。
{netabare}
かなりたくさんの人が「過去に出会ったことがある」ことになっています。
ちょっと世間が狭すぎる気がしました。
{/netabare}

・個性の弱さ
これは起伏のなさにも繋がってくるのですが、みんないい人なので、それぞれの個性が目立ちません。
たまに「あれ?この人誰だったっけ……」なんてことも。

・狙いすぎた演出
無理に泣かせようと、キャラクターに涙を浮かべさせたり、ちょっと狙いすぎなシーンが目立った気がします。
そんなことしなくても十分心に響くのですが……。
また、マスコットキャラの桃猫さま、あんな猫は存在しません……。
ご当地アニメとしてリアリティがあるのに、ただかわいいという理由で未知の生物が出てくると、やっぱり違和感がありますね……おっと誰か来たようd

・ご当地ネタ
ご当地ネタを出されてもよくわかりません。。。
調べれば分かるとは思いますが、住んでいる人と住んでいない人でイメージが変わってしまうのは確かでしょう。


……とはいうものの、暖かさ、幸せ、そういう要素はやっぱり魅力。
おばあちゃんが子供達を見守る笑顔に、何度やられたことか。

また、OPやEDでは「写真」が使われているのですが……正直言います。
初見で泣きました。
{netabare}
・亡くなったお父さんが撮った写真
・「命名 楓」
・お父さんの指をしっかりとにぎる赤ちゃん
これはずるいよ……。
{/netabare}
そして、物語が進むごとに、写真には被写体の他に「撮った人」が写っている気がしてくるんですよね。
{netabare}
それが、最終話の台詞にあった「山からは見えない景色」に繋がってくるのだと思います。
山から見る日の出の風景は綺麗なもの。
しかし、その山を下から見上げたら、徐々に日に染まっていく、新しい一面が見られる。

被写体には人生の一部が写っている。
しかし、撮った人のことを考えて見ると、そのときどんな感情だったかまで蘇ってくると。
{/netabare}

本当に暖かく幸せになれるお話です。

なお、まとめて見るより、少しずつ見るのがいいかもしれません。
まとめて見ようとすると、美味しそうな食べ物と、幸せ成分でお腹いっぱいになります。

また、2期が2013年の夏放送に向けて制作中とのことです。
{netabare}
お父さんを撮った場所が分かっていませんしね……。
{/netabare}
これからどうなっていくのか、期待です!

投稿 : 2013/01/31
閲覧 : 432
サンキュー:

44

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