Smog さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ジブリへのオマージュをどう捉えるか。新海監督が送るファンタジー色の強い長編アニメ映画。
オリジナルアニメ映画。
「秒速5センチメートル」の新海監督が送る2時間弱の作品です。
昭和の古き良き時代背景を元に舞台をこしらえ、懐かしい雰囲気を様々なところに散りばめた作品。
新海監督は「秒速5センチメートル」に続き2作目でしたが、作風を大きく変えてファンタジー色の強い作品に仕上がっていました。
一番の見所は、作画でしょう。
さすがはアニメ映画と思えるクオリティでした。
ダイナミックに動かすところは動かし、落ち着いた場面でも背景や細かいところに動きを出して味付けをするなど、細部にこだわった動きが見事でした。
タイトルにちなんだ星や光の表現も幻想的で見応えがあり、最初から最後まで目が離せませんでした。
キャラデザは少し古い印象があるかもしれません。
ただ、自分としては舞台設定に合わせて郷愁を感じるデザインで良かったと思います。
ストーリーについて、何とも言えない抽象的な展開でした。
フィクションだと割り切れない妙にリアルな描写が組み込まれていたせいか、疑問を感じる点がたくさんあり、化かされたまま進行していく印象を受けました。
「どうして?」と思わせることで引きの強さは出せていたと思いますが、答えは明示されないものが多かったです。
音楽について、シンプルなものから壮大な音楽まで実に多彩で、サントラ購入を検討するレベルの仕上がりでした。
個人的に、テーマソングがとても良かったです。
自分好みのシンプルでしっとりとしたバラードでした。
また、動きのあるシーンでの効果音も迫力がありました。
ぜひ劇場で聞いてみたかったです。
声優さんについて、大好きな声優さんばかりが出演されていました。
金元寿子さん、入野自由さん、井上和彦さん、島本須美さん、日高里菜さん、伊藤かな恵さんなどが出演されています。
特に、入野さんの声は影のあるキャラにばっちりハマっていました。
モノローグのような語りを聞いているだけで切なくなりますw
ストーリー、作画、音楽など、全体を通してジブリ作品(宮崎監督作品)へのオマージュが盛り込まれているのが印象的でした。
キャラの設定、表情の変化、作中に出てくるキーアイテムや「モノ」の作画、ポップな場面での軽快な音楽などなど、スキさえあれば何かを盛り込んでいる印象で、「これどっかでみたことある!」といったデジャブを何度味わったことかw
テーマはおそらく「出会いと別れを通しての成長」でしょう。
結構わかりやすいメッセージなのですが、いかんせんジブリを意識し始めると「ジブリ探し」に集中してしまい、本筋に集中できなかったのが残念でした。
新海監督は「秒速5センチメートル」がとても良かったので前から気になっていました。
金元寿子さんと入野自由さんが出演されていると聞き視聴を決意。
結果的に「ジブリ探し」のインパクトが強かったですが、新海監督の違う一面を見られた作品でした。
他作も機会があれば見てみたいと思います。
「ジブリ探し」に興味がある方、新海監督のファンタジー色の強い作品が見たい方におすすめできる作品です。