hiroshi5 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
面白さには理由がある。
確かにこの作品は面白い。だが、一つ疑問に思ったのは「けいおん!」などの爆発的に人気になる日常系とは違ったという点だ。
一話一話に関連性がないのとストーリーにゴールや目標がない点で「けいおん」とは違っていた。
けいおんが登場した2009年代まで、日常系にはストーリー性があまり重要視されて来なかった気がする。
日常系の大黒柱であるARIAを視聴していない為、なんとも言えないが丁度2007年、2008年はストーリー性のない日常系が流行り始めた年のような気がする。
みなみけを筆頭に夏目友人帳、らき☆すた、苺ましまろ、今日の5の2。そしてこれらの作品以降では日常、あっちこっち、ゆるゆり、男子高校生の日常、たまゆらという風に受け継がれている。
この「ストーリー性が重視されない日常系アニメ」の根源を辿ればかみちゅ!、あずまんが大王、ぼのぼの、少年アシベ、そしてドラえもんという具合にどんどん昔に遡ることはできるのだろう。
「ストーリー性が重視されない日常系アニメ」というだけでもこれだけの歴史を垣間見ることができる。その中で、みなみけという4期も続いている作品はどういった役割を果たしているのかが気になるところだ。
日常系でこれだけ続いているのは夏目、ARIAぐらいなもんだからだ。
ギャグとしては、個人的には「先生と二宮君」が非常に気に入ったが、それ以外は大して特徴的な点はなかった。
では、なぜこの作品が4期も続く人気アニメに成り得たのか。
それは多分、キャラクターの数にあると思う。
物語は単調。一貫したキャラ設定で柔軟性に欠けるが、大量のキャラを登場させることでマンネリ化を防いでいる。
この多様な登場人物が今作品を確実に面白くしているのは間違いないだろう。特に保坂先輩などは本当に良いキャラをしていた。
日常系というジャンルのアニメはキャラの変化が乏しい。日々、人間の性格が変わっていては、それは「日常」とは言えないからだ。
キャラの個性を固定することが前提の日常系アニメに置いて、どう物語のマンネリ化を避けるかが一番の問題だと考えられる。
キャラ一人一人を魅力的にするという方法(けいおんなど)もあるが、これは難しい。どういうキャラクターが魅力的かは視聴者によって違うからだ。
ということで、取り合えず色んなキャラを作って「数打つちゃ当たる戦法」に出たのがみなみけではないだろうか。
日常系は物語に起伏が少ない為、キャラを増やせば増やすほど物語のマネージメントが困難になると思うかもしれないが、実際のところ、みなみけの様な作品ではキャラを次々に登場させること事態が一つのイベントとして成立している。
よって物語の幅が広がり、視聴者を飽きさせない展開を可能としている。
4期をも作らせるその実力には基盤の段階でよく練られた設定が支えになっているということだろう。