STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
単なるスピンオフではないねえ
劇画風の絵が非常に印象的で、ある意味原作のタッチに近い。その昔、漫画は子供向け、
劇画は大人向けみたいな時代があったが、そんな頃の劇画タッチを思わせる。
大人向けと言えば、この作品での峰不二子はよく脱ぐし、おまけに乳首なんかもちゃんと
見えている。
よく萌え系の作品だと規制が掛かっていたりするが、あれは自主規制なのかと改めて思った
次第。
まだ深夜アニメが存在しない時代、大半のアニメは子供をメイン視聴者として午後5〜7時
台に放映されていたが、たまに大人をメイン視聴者にした作品がもっと遅い時間に放映されて
いた。この手の作品はお色気(エロとかより、この言葉の方が時代の空気に合っているかな)が
強い傾向にあって、なんかこの作品はその手の作品を思い起こさせるものがある。
この作品に登場するキャラ達は結構、人を殺してしまう。今でこそルパン三世と言うと
優しいおじさんみたいなキャラになっているが、本来のルパン三世はかなり非情な感じで、
割と殺人もやっていた。すっかりお間抜けキャラになってしまった銭形警部もここでは本来の
怖さを強く打ち出しており、そういう意味ではこの作品は原点回帰を目指した部分も
ありそう。
逆に言えば、一般人気を得ていく過程で、次第にファミリー向けになっていったルパン
三世に慣れた人はかなり違和感を感じそうで、各人が抱くルパン三世のイメージが試される
リトマス試験紙のような作品かもしれない。
ストーリー自体はいわゆるルパン一家?的なものが構築される以前の前日譚で、第3話の
「サウンド・オブ・ミュージック」、第4話の「オペラ座の怪人」などをモチーフにした
ような回、第7話のキューバのカストロをモデルにしたような回など、あえて古いネタを使う
ことで、昔の話であることを印象付けているような感じ。
序盤は峰不二子を主人公に、彼女がお馴染みのキャラと関わり合いながら、一話完結の形で
活躍する展開かと思われたが、中盤以降は謎の女である峰不二子の過去を探るような連続的
展開に変貌。
峰不二子というキャラはミステリアスな要素で成り立っている部分が大きく、その過去を
はっきりさせてしまって大丈夫か?と思ってしまったが、その辺は非常にうまく締めており、
ストーリー的にはすっきりさせても、ちゃんと峰不二子は謎多き女性のままであった。
タイトル通りストーリー展開は峰不二子を中心に動いていくのだが、要所要所を押さえて、
ストーリーの舵取りをしていたのはやはりルパン三世の方で、全話に登場しなくても、なんだ
かんだ言ってルパン三世が全体の中心にいたように思えた。