退会済のユーザー さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
なんとかなる!わけがない・・・
この作品はハッキリ言って嫌いです。
要は人間観察をするタイプの作品なんだろうけど、全てが作為的に感じられる。
非常にシビアな異世界トリップものではあるし、私の好きなジャンルなんですが。
戦争中だからだろうとは思うんだけど、
ハムドを始めとする狂人達のあまりに理不尽な行動はさすがにどうなのかなと。
別の角度から彼らを映し出さなかったのは、狙いでもあるんだろうからそれで良いんでしょう。
だからこそ腹立たしく感じてしまう部分もあります。
主人公について。無力なのに強靱。
非常にタフネスで自己主張が強い。いくらボコボコにされようとも結構頑丈。
何かよく分からないけどララルゥに執着し、異世界において頑なに持論を展開し、
叫んでいたと思えばいつの間にか平然としていたり、こんなにすげー主人公いないよ(笑)
活劇アニメなら違和感はないが、本作は世界観との摩擦が半端じゃない。
戦時の異世界に放り込まれた人間の芝居としては甚だ狂ってるものに見えるし
それゆえ本作における葛藤にも違和感を覚えてしまい、暴力描写以外見所はなかった、個人的に。
もちろん意図的に不自然なものとしているのは分かるけど、戦争自体が嘘っぽく見えちゃうのはどーなのかなと思ったり。
主人公に悲惨な末路を辿らせる事もなく、成長させるわけでもなく、後味最悪の作品です。
そこに意味を見いだせるか否かで印象が変わってくるんじゃないかなと。
バックボーンの異なる登場人物の主張の激突は見られましたが、主人公がメタ的役割に留まってしまったのは消化不良感が漂う。
少しだけ似たところがある作品として「ストレンジドーン」があるけど、あれは戦争なんてどうでも良かったからなぁ・・・どちらの作品も異世界に放り込まれた無力な人間を描いたという点で意味のある作品だと思います。比較すると面白いかもしれないですね。
なんだかこきおろしてしまったかもしれませんが、一見の価値はある作品だと思います。