あにまっくす さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
切なさを伝える作品
・原作は14年前の先駆けでした
KanonはKeyより発売された1999年のアダルト向けゲームでした。
しかし、ユーザーの感性とは裏腹にアダルトシーンは完全なオマケで、ストーリーに多くの感動を組み込んだマルチシナリオ型の恋愛ゲームでした。
アダルトシーンは従来のものではなく、恋愛における精神的な愛情表現として描かれています。
当時はジャンルをアダルト向けに設定しなければ流通しなかったと思いますが、製作側は、そのジャンルから外れていた事は自己矛盾だったのではないでしょうか。
一歩間違えればアダルトに受けない、逆に流行れば従来のゲームはタブーになる。
そういった矛盾です。
・その後のKanon
後に完成度の高いストーリーは多くのTVゲームに移植され、アダルトジャンルから抜け出すこととなります。
この頃から「泣きゲー」と呼ばれるようになり、感動を与えるストーリーが一般にも受け入れられています。
・第1回アニメ化
2002年に東映アニメーションによりアニメ化されました。
原作のゲームはマルチシナリオで複数のヒロインのうちの1人はプレイヤーが選ぶものでしたが、アニメ制作側によってストーリーを固定してしまう事がアニメ化という事になりました。
・第2回アニメ化
2006年、原作から7年もの時間を経て京都アニメーションによって再度アニメ化が行われています。
全24話で構成されたシナリオは前回よりも多くのシナリオが組み込まれる事になりました。
・作品紹介
主人公は家庭の事情により幼少の頃に過ごした北国で高校生活を送ることになります。
7年ぶりに訪れた場所は雪に覆われた白銀の街、そこで幼馴染の名雪と再開する事になります。
彼は以前訪れた時の記憶を覚えておらず、何人かのヒロインとの再開によって時間を取り戻していきます。
原作と同じく日常描写では楽しさを表現しており、後半に近づくにつれ掛け替えのない日常だと気付く描写になっています。
シナリオに組み込まれた内容は、想い続ける時間、大切に思う心、願いと真実、といったところです。
ネタばれとして公開するわけにもいかないので端的な表現を許してください。
感動で雪が溶けそうな内容でした。