銀くじら船ブリキ丸 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
オムニバスな小話が多数
不老不死の効力を持つ火の鳥を、人間が狙う展開です。
火の鳥という無限の時を過ごせる存在から、人間の様々な要素を見ていきます。
恋愛とか死とか、個人の大事があたかも小事に見える様な内容で、悠然と何かを物語ってくれます。
話に共感し何かを考えさせる事もあるかもしれません。
ただ話数が短く、あまりキャラに感情移入する事もなく、ダイジェストに進行します。
話の設定・説明が十分でない事もありますが、言わんとしてる事は何となく伝わるかと思います。
とにかくあまり類を見ないユニークなアニメだと思います。
5本立てのオムニバスで各々独立してますので、見る順番はどこからでもOKです。
1)黎明編(1-4話。全13話)
平和な村がある日、{netabare}邪馬台国の卑弥呼に狙われ、 {/netabare}戦になります。
負けた側は家族が四散し、生き残っても厳しい処遇が待っています。
でも人は新しい家族で力を合わせ、子孫を増やして生き抜きます。
死んで生まれて世代交代していくのが生命です。戦で負けても人は増え、村は次の世代が復興します。
2)復活編(5-6話)
事故の後遺症で、美的感覚の狂った青年が主人公。
彼はある人を見て美しい女だと思い、恋をします。
恋の成就には問題がある相手ですが、障害を乗越えていきます。
青年は人を見る目が正常な過去と、異常な現在とどちらの人生が良かったのでしょうか。
他の人間が悪く描かれてるので、ちょっと異常でも彼の選んだ人生を支持してしまいます。
3)異形編(7話)
侍の家に生まれた女性の話です。
病気の父を助けるという、奇特な寺の尼に会いに行きます。
尼さんはいろいろ秘密のある人で、主人公は後でそれに気づきますが手遅れでした。
親は子に財産・家業などを遺します。食い扶持がない時は自分が犠牲になる事もあります。
親は損な立場ですが、子供も時間経過と共にその立場になるのです。ありがたいものです。
4)太陽編(8-11話)
壬申の乱(奈良から平安へ)の際に、起きたもう一つの戦いです。
主人公は日本の土地神(八百万の神)を信じる人間ですが、大陸からもう一つの神
の勢力がやってきます。
人間の戦いの裏で、 {netabare} 和の神と大陸の神が{/netabare}覇権争いをします。
神事と人の治世は別物なんですが、実は互いに干渉し影響し合ってます。
できることなら両者と無関係で、個人の幸せのみ追求したいですが。
5)未来編(12-13話)
生命の神秘を研究する博士の助手は、 偶然に特殊な力を得てしまいます。
しかしそれが不幸の始まりでした。
無限の時間の中、孤独と戦いながら、ようやく命の神秘をつき止めます。
非常に壮大なスケールで、感動を与えてくれます。