銀くじら船ブリキ丸 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人ですか? アンドロイドですか? 得体の知れない何かですか?
都市ロムドの捜査官リルと、オートレイブ(アンドロイド)の
修理師ビンスが主人公格のキャラです。
壊れたオートレイブの事件をリルが捜査していく中、
二人は何かの陰謀なのか、オートレイブに襲われ被害を受ける様になります。
いろいろ謎のある事件を調べて、逆に自分達が追い詰められていく展開です。
サイコでサスペンスなジャンルというわけです。
この世界では人は良き市民を目指し、オートレイブの支援を受けます。
しかし、オートレイブは機械なので故障することがあり、トラブルが起こる場合があります。
故障原因は {netabare} コンピュータウイルス {/netabare}などありますが、勝手な行動をとる等、人間くさくなります。
悪い事もやったりします。
また、世界には「得体の知れない者」も居ます。
そいつは強力な力を持っている割に、ちまちまと陰険な小細工を労すなど、かなり人間くさいです。
という感じで3者(人、オートレイブ、得体知れず)は各々の立場で、自分の目的を達成しようとします。
この三者が入り乱れる展開がおもしろいです。
また良き市民て何ですか? オートレイブの指示に従うなど、社会的な規範にそう人間です。
私的な欲望や感情がない人間とも言えます。
逆に良き市民ではない人は、反社会的な所があります。
私的な欲望を持ち、他者と争い、愛や怒りの感情を表します。
人間としては俗物過ぎるので、得体の知れない者に近いです。
3者(人・機械・得体知れず)を比較していくと、人間の存在や愛の価値は疑問符がつきます。
良き市民は物事に完全さを求め、オートレイブと一緒のつまらない人生です。
そういう人が求める愛は静的で嘘っぽいです。個人の価値観が軽視されてるからでしょうか。
本作は人間の存在を一旦否定し、再度人間らしさを深く追求し、再定義する、
そういう要素がある作品です。別の切り口で、人の愛を学ぶ感じです。