三崎鳴 さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ライトノベル界の名作
谷川流作ライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズを原作としたアニメ。
「東中出身、涼宮ハルヒ。ただの人間には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、異世界人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。以上。」
高校入学早々、この突飛な自己紹介をした涼宮ハルヒ。美少女なのだが、その性格・言動は変人そのものであり、クラスの中で孤立していた。しかし、そんなハルヒに好奇心で話しかけた「ただの人間」である、キョンとだけは会話をするようになる。ゴールデンウィークも過ぎたある日、校内に自分が楽しめる部活がないことを嘆いていたハルヒは、キョンの発言をきっかけに自分で新しい部活を作ることを思いつく・・・
テレビ放送は原作発行順/時系列順と異なる。これは監督による「原作に忠実」と「原作ファンに対するサプライズ」を両立したいという意志の元。第11回アニメーション神戸作品賞 テレビ部門、ラジオ関西賞(主題歌賞)/第6回東京国際アニメフェア優秀作品賞 テレビ部門/DVD・オブ・ザ・イヤー2006(DVDナビゲーター)優秀TVアニメ・OVA賞,受賞。DVDシリーズ売上枚数70万枚超と業界に大きな影響を与えたことは間違いない。ただしその人気/知名度が内容に直結するかといえばそれは否である。作品としては悪くない,むしろよく出来ている。ライトノベルの特性を生かした多種多様なパロディやコメディ、学園SF物として完成度等人気を惹きつける要素はある。個人的に原作シリーズは「憂鬱」だけでエンタメ作品としての完成形だと思っており、続編は蛇足だと感じているがそれもライトノベル作品故の特性なのでしょうがない。そもそもライトノベル自体エンタメとして楽しむ物なのでそこに名作としての要素を求めてはいけない。ハルヒも一種のそれであり名作としての作品ではない。特に伝えたいテーマ性があるわけではなく内容はかなり薄い。只エンタメ作品としては完成している為軽い心持で見る分にはかなりの良作。良い意味で「アニメらしい」作品である。ライトノベル業界もこの作品前後では風潮に変化を見せ影響が大きいことは目に見える。