plm さんの感想・評価
2.4
物語 : 1.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 1.5
キャラ : 2.0
状態:観終わった
作中人物「まるで安っぽいメロドラマだ」 僕「まるで安っぽいメロドラマだ」
個人的にジブリ史上で最もクリティカルヒットなほど肌に合わなかった。
ジブリ作品といっても、トトロやラピュタ、もののけ姫、ナウシカ、魔女宅やら千と千尋とか
有名どころは観てるものの、観逃してるものもあるが。
耳をすませば、もちゃんと見てなくて比較できないけど、君に届けのような青春純愛ものは好きなので、
そういうタイプの作品でも全然平気だろう、と高を括って観ていたら……
{netabare}
まず一つ、これは楽しみ方としては感情移入型の物語であろうけど、
主人公にまるで共感や応援したくなる要素がなかった。
序盤は話がなかなか見えてこず、カルチェラタンを始めなんだかちょっとよくわからない用語も飛び交う。
それで飛び降りパフォーマンス?が何だったのやらよくわからない間に仲良くなってて成り行きまかせな。
しっかりもので、芯が強くて、恋する女の子。嫌いになる要素はないんだけど、
どうもこれらの流れから主人公視点に入っていけなかった。客観的に眺めてしまう感じ。
(主人公の名前すら海なのかめるなのかめぐなのか何なのかずっとわからなかった)
次に、それでいて多くの主人公たちにまつわるあらゆる出来事が常に都合の良い方向へ進んでいく。
上手くいきすぎだろ!というのが終盤に行くにつれ多くなってって、客観的に観ていた分釈然としない。
特にこのコクリコ坂の肝とも呼べるような血縁ネタが、
どう展開するんだろうと期待してたところにきて、よりによってそんなネタかよおおお、と思った上に
母親が登場してアルバムめくるシーンがきて、やっぱそういうオチかよおおおみたいながっかりが、
物語的にも都合の良さばかりを感じてしまって倦厭してしまったところ。
(これは自分の純真さが足りない部分もあると思うが。)
何よりこの台詞「まるで安っぽいメロドラマだ」この自己言及っぷりが凄い破壊力で
この台詞あたりから、コクリコ坂を滑走するかのように急激に興味がなくなっていった。
安っぽいメロドラマだということに自覚的なのか、それか保険のように言うのはやったらいけなかった……
みたいな思いが頭の中で巡り、僕の中の何かのスイッチが入ってしまった。
音楽は「上を向いて歩こう」押しだけど「一人ぼっちの夜~♪」って歌詞のタイミングでイチャついてたり
これは逆説的な演出を狙っているのか、単に昭和っぽくしたかっただけなのかは定かではないが、
ミスマッチっぷりが半端ないようにしか感じられなかった。 {/netabare}