「ちはやふる(TVアニメ動画)」

総合得点
91.1
感想・評価
4135
棚に入れた
18828
ランキング
42
★★★★★ 4.1 (4135)
物語
4.4
作画
4.1
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

hiroshi5 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

確かにこれは面白い(汗)。なんでこんなに面白いんだろ・・・。

以前から評価が高かったからどんなもんかなと観てみたら、これがびっくり仰天。テーマやキャラは別段特別じゃない。なのになんでこんなに躍動感があって、しかも先が気になるんだろう。

一度見出したら中々手が止まらなかった。こんなに引き込まれた作品も久しぶりだったもので、思わず色々考えてしまった。


まず、テーマ。真剣で、情熱的で、それが観ていて清々しい。だから観ているこっちも貰い涙を流すし、感動もする。
だが、真剣で情熱的な姿勢を売りとしたアニメなんて沢山存在する。
身近な例で挙げると、「さくら荘のペットな彼女」がある。
圧倒的才能との狭間で揺れる意思、真剣に自分の好きなことに取り組む姿勢。
こんなにもテーマが似ているのに、どうしてこんなに違いが出るんだろうか?

それはキャラクターでも同じだ。新、千早、太一の主要キャラクターを含み、サブキャラまでどこにでもいるような設定の人物が多い。皆志しが明確で異常に清々しい様な感じはするが、それでもどこかで似た様なキャラを見つけようと思ったら見つけられる様な、そんな平凡なキャラが多かった。


じゃ、その異常に清々しい(ここでは真剣で、情熱的であるという意味)キャラや展開が珍しいかと言うと、そうでもない。最近の作品で例を挙げると「黒子のバスケ」がある。特にスポーツ系にはグループで友情を深める、一つの目標に向かって頑張る姿勢が強調される為、ちはやふるに似た物語が展開する。

だが、ちはやふると黒子のバスケ、さくら荘のペットな彼女では月と鼈だ。

テーマでもない、キャラでもない、作品の一貫した特徴でもないとすると、何がこの作品をこんなに面白くしているんだろうか?

私はちはやふるを観ている時に、とらドラ!を観ている錯覚を覚えた。多分、BGMが原因だと思う。音楽が入るタイミングが非常にとらドラ!に似ている。
また、音楽のデキも凄く良い。ちはやふるの雰囲気に凄いマッチしている。

もう一つの気になった点は展開の早さ。無駄な説明部分を最大限に省いている気がした。他の作品では飽き飽きしてくる回想シーンも上手いタイミングで入れていた。
後半は個人戦になり、しかも連敗が続くため展開の進みが遅く感じたが、それでも非常にいいテンポで物語を進めていたと思う。これは脚本家の賜物だと思う。

そして、私が一番「これが面白さの秘訣ではないか!?」と考えているのが競技かるたの特性だ。
一見、座って手を振るだけの運動に見えるこの競技には想像以上に複雑な戦術と身体の動きがある。
その意外な一面を見せる事で視聴者を引き込んでいる。その中でも特に腕の払いの動きがこの作品をもの凄く面白くしていると思う。

時々キャラの限界が設定されていないアニメが存在する。それらの主人公たちは終盤で未知なる力や限界を超える能力と技を出す事で展開を盛り上げる。
この方が制作側としても物語の展開の運びが楽だし、凄い能力は視聴者を熱くさせる。

だが、ちはやふるの場合、限界が明確に提示されている。現実の人間と同じだ。耳の良さにも限界があることも千早と新によって証明されている。
その限定された中で必死に努力して力、技を極める。これがこの作品の醍醐味だと考える。そして、その努力の結果がもっとも良く現れるのは試合中、特にかるたを取る瞬間だ。

競技かるたという単純で限界が明確に提示されているものを取り扱っているからこそ、努力で感動し、試合で刺激され涙流すことができるのだと思う。

と、ここまで書いて気付いたが、ちはやふる制作がやっていることは別段変わっているものでもない。
作画を観ても努力しているのは凄い分かるし、簡単にこの作品を作っている訳でも無さそうだ。でも、大抵の作品はこのレベルの面白さまで引き上げることができるのではないだろうか?

私としては制作側のスタッフは是非この作品の長所を盗み取ってこれからの作品に繋げて欲しい。

投稿 : 2013/01/11
閲覧 : 304
サンキュー:

26

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