「中二病でも恋がしたい!(TVアニメ動画)」

総合得点
88.2
感想・評価
6222
棚に入れた
29113
ランキング
124
★★★★☆ 4.0 (6222)
物語
3.8
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.1

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maruo さんの感想・評価

★★★★☆ 3.5
物語 : 3.0 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

中二病とは恋をしたくない B+

原作未読

本レビューはどちらかというと視聴済みの方向けです。

◆「中二病」という言葉の発生

伊集院光氏が自身のラジオ番組で発言したのが最初と言われており(それ以前にもあったという説あり)、その内容は、中学二年生くらいの年代でありがちな言動で、自虐ネタ・あるあるネタでした。伊集院光自身とリスナーの投稿ネタによって体系化されていきましたが、幼稚な内容のネタについては「小二病」に分類するなど、「中二のころにありがちな」ということが特に重視されていました。伊集院光のラジオのヘビーリスナーだった私が知っている「中二病」とはこのような意味です。

現在の「中二病」の意味ですが、無限定に広がりすぎているように思います。言葉は生き物ですから、意味が変遷していくことは止むを得ないのですが、上記の小二病(或いはもっと幼稚な)程度の内容が含まれていたり、他人への攻撃性を備えるにまで至っているのは、言葉の発生時を知っている者としてはどうも違和感がぬぐえません。当の伊集院氏も言葉自体にもう興味はなくなったと発言していますが、私も同感です。

◆本作に関して

では、何故この作品をスルーせずに見る気になったのかというと、単純に、現在の中二病が具体的にどのような人間像で描かれるのかが気になったからです。

見始めて早々に思ったのは、ギャグの中で中二病が扱われているのであれば許容範囲内かなということです。

中二病の本来の意味からすれば、その年齢をはるかに超えてもなお症状が残っていることは問題があるでしょうが、現実に中二の頃に中二病であることは全く以って問題がないはずです。しかしながら、主人公の勇太が黒歴史として葬りさりたいと思っていた中二病というのは、その内容(「邪気眼系中二病」って言うんですか?)を見てみるに、小二病(又はもっと幼稚な病気)くらいに捉えるか、もっと深刻な状態(医学的に見て)と言うのが妥当でしょう。

私が直感的に感じたのは、これはシリアスでは描いてはいけない人物像ではないかということです。例えは古いですが、「天才バカボン」の中でバカボンのパパのようなものです。

しかし、物語は途中からかなりシリアスな方向に展開していきました。そして、最後には「中二のころにありがちな」という、元来の定義をも雲散霧消させてしまうような終わり方をしてしまいました。ギャグならギャグで徹底させてくれた方が私としては腑に落ちたと思います。

最終的には、まあ作り話だから・・・と自分を納得させるようにしました。物事をあげつらいながら見ても、眉間のしわが増えるだけでつまらないですからね。

そうしたことを度外視してみるに、キャラクターは誰を取り上げてみても個性が出ていて(出過ぎていて?)面白かったですね。これも中二病という設定があったからこその面白さなのだと思います。中二病設定に拒絶反応が出る人は仕方ないにせよ、中二病とは何ぞやということを余り気にせずに見ることができれば、十分楽しめるのだと思います。

◆余談

それにしても、こんな中二病って本当に存在しているのでしょうか。それなりの数が存在しているとすれば、私の方が考え方を矯正しなければいけないのかもしれません。自分が好きなことに熱中すること自体を否定している訳ではなく、好きなことは好きであっても、周囲との関係性を客観的に評価できるというのが、正常な中学二年生が備えるべき能力だと思うのですが。他のアニメから引用するのも何ですが、俺妹の桐乃や黒猫のような人物こそが、ちゃんとした中二病だと思います(彼女たちは周囲からどう見られるのかを認識して行動していた)。

それと、中二にありえない症状を指して「中二病」というのも何とかならないのだろうかと思いますが、どうにもならないんでしょうね。中二諸君にたいする冒涜ですよ。彼ら(彼女ら)は何故怒らないのだろうかと不思議に思います。

投稿 : 2013/01/10
閲覧 : 341
サンキュー:

40

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