ひげ さんの感想・評価

4.1
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態：観終わった

恋する惑星ならぬ恋する商店街。

Everybody Loves Somebody　がテーマな下町人情もの。
京アニ作品なので例のキャラデザイン、けいおん　から変わらず下半身で表現する技法は健在。
だが作品としては別モノ。
ターゲットにしている視聴者自体が違う。
社会に疲れたり、時代の流れに翻弄されたオトナたちに向けたメッセージおよび製作側の自己表現としてしか受け取れない。
昔は良かった、とかこんな世界だったはずなのに・・。
ポジティブに取るなら現在も残る古き良き日本、下町賛歌。

話が進むごとにキャラクターの背景を描いていき、南国から流れ着いた喋る鳥、デラをトリガー、狂言回しとして毎話、登場人物それぞれのちょっとしたラブストーリーが語られる。

雰囲気としてはけっこう好み。
期待通り、商店街だけで物語を完結させてくれた。
人物相関も暗喩的な表現、メッセージが多くなかなか見ごたえがある。
しかし残念なのが構成があまりにシンプルすぎた。
{netabare}
全話通して解決されるであろうとおもっていた母の鼻歌の謎
という最大の見所を第9話すべて使ってあっさりと種明かししてしまう。
ポリシーなのか、大事な事象に関しては引きを使わない。
だから来週がどんな話かなんてどうでもよくなる。

アバンとかちょっとした伏線をおいといて最終回で彼のお話とともに一気に回収してほしかったなと。
9話で最終回が来ちゃってて、最後の12話、商店街の演出があまりに唐突。
予定調和、消化試合いや、閉会式だと思って観てたら、え？いまさら？そっちほうを掘り下げるの？みたいな。

なんでこんな頑なに一話完結のスタイルを貫いたんでしょうかね・・。
チョイちゃんの心理描写をほんの少しストレートにして、彼女の恋心も上手いこと織り交ぜていけばもっと盛り上がるのはではないかと・・・。
{/netabare}

吉田氏のガルパン見る限り、明らかにシナリオの、構成の力量がない、のではなく、観やすく万人に伝わるようにシンプルであることを美徳として作られているのは伝わってきます。
『まどか』あたりから続く、有象無象のラノベ原作系に対するアンチテーゼの波に乗ったのでしょうか。
そちらはもう『ガルパン』が圧倒的なクオリティとインパクトだっただけに・・。まぁ変化球、飛び道具もいいとこですけど。
問題なのはあそこまで出来ることを見せときながら・・なぜ？という、なんかもったいないんです。この『たまこ』って作品。
ドストレートで勝負しすぎたのでしょうか・。
もしくは監督、製作の配球ミス。


個人的には予想、希望を裏切らない作風だったのは非常に好感触でした。




覚書1話
待望のオリジナル作品らしいですが、まさかの・・・『昭和臭』！！
ＯＰ，スカートの丈とかフラグ立ってたと思いますけんども。
喋る鳥ににあまりツッコミを入れないこの世界。
神谷明さんあたりがいないのが不自然なレベル。
塩沢さんに似てるといわれる山崎さんが素敵。
小野さんのオネエ？がちょっとツボ。
日笠さんとかもう、キャスティングで笑いを取りにきてます？

『けいおん』で散々フェティッシュなエロスを撒き散らした監督さん。今回はムッチリふともも成分は軽めで『膝下』が多い気がします。鳥さんの肛門とともに見せ付けてくれます。
新境地の開拓かしら。私達を開発しようとしているのか。
エッチなオネーサンだな・・。

『それ町』が好きな私としては、小さなコミュニティ、舞台でのお芝居を期待します。
若者に『寄るな！昭和臭が移るわ！』っていわれる作品になるとうれしいですね。

覚書
9話
{netabare}
ひたすら謎だった母の歌、伏線回収です。ええお話でした。たいした山もない、希望通り古臭い人情もので最後まで走りきってくれそうです。うれしいなぁ。日笠さんのキャスティングの理由も発覚。ｷｭﾝｷｭﾝです。
さてはてデラちゃんとチョイちゃんの身の振り方が最後に残ったわけなんでしょうけど、ラスカルなみのお別れになるのか、まだまだつづく馬鹿騒ぎなの。人気でたら帰らない、帰ってくるで続編作れるようにおわらせるのかね・・。




鳥さん改めデラちゃんの存在を認めるどころか地域ぐるみで半ばスルーしはじめた作中世界。ナレーション、ギャグ要員になり本筋は下町人情モノの様相を・・。
もはやただの正月映画とか昭和ドラマなんだけどおもしろです個人的には・・。

もうしわけ程度にちょくちょく入れる気なのか日本伝統の戦闘いや銭湯シーン。今週の3人、髪を解くとまったく区別がつかないな・・。このキャラクターデザインがジブリなんかと同じでウリどころなのだろうから仕方ない。キャプテン翼よかましじゃと思って楽しませていただいております。




２話
１話ラストで懸念していたファンタジー展開のフラグをローキックでへし折った。
立ち技で勝負する気だ。いいぞ！
寝技はしばらくまっていただきたい。

{/netabare}