優馬 さんの感想・評価
4.3
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
帰ってきた化物語 あのゴールデンウィークのときは? <4話完結>
あの化け物語りの主役である 阿良々木 暦がもどってきた。
冒頭いきなりの妹との絡み
前作まであまりピックアップされていなかった 阿良々木 月火ちゃんを前面に押し出してのストーリー展開から話が始まる。
暦がいうには気になる子がいるという
これが恋なのか相談に乗ってくれというのだが・・・
相手は、委員長ちゃん 羽川翼
化け物語り中になぜか 羽川翼に意識が行く・・・それは好きだという感じがしたのだが結局そういった恋愛は全くなかったのが不思議でしょうがなかった。
存在感が他のヒロインをこえている場面すらあるのに何故彼女とのストーリーはなかったのか?
その疑問の答えがこの作品のすべてだった。
この作品「猫物語(黒)」は 羽川翼のストーリーだ。
委員長は、血のつながらない両親の元で暮らし、家庭環境が悪い中、まじめで正しい子を演じていた。
もちろん頭もよく・・・それだけに少し危険なところも感じられたのだが、本作品にはそれがすべて出し尽くされている。
彼女の怪しいまでも美しい魅力的外見、その狂おしいほどの哀しい性を抱えた正しくあろうとする性格とそのために自身の心を傷つけ続けていた人間関係の恐怖が語られる。
また、彼女の持つ憎しみからの開放を求める戦略的思考・・・これほどまでに苦労した敵はいなかったであろう。
実は、「さわり猫」今回はそれが相手になるはずだった。
尻尾のない白い猫が車に惹かれて死んでいた、それを埋めてあげたところからこの話が始まる。
その猫が可哀想だと思う心の隙間を狙い「さわり猫」は人の心を支配し、やがては乗り移り・・最後にはのっとってしまうのだ。
猫を埋葬したのは委員長 羽川翼 彼女は「さわり猫」にのっとられてしまう・・・と思っていた。
タイトル 「猫物語(黒)」・・・何故(黒)なのか
「さわり猫」は白猫である。
確かに乗り移られた羽川翼は白猫の化身になっている。
しかし、普通の「さわり猫」の強さを凌駕しているのだ・・・それは何故か
実は、羽川翼は「さわり猫」に取り込まれたのではなく
逆に利用をしていたのだ。
彼女は絶対的正義の行動をする 猫の死体を埋める場合でも可哀想だからという意識はなかった。
それは、そういうことをするべきであるという正義の行動意識でおこなっただけだった。
これでは「さわり猫」は心を乗っとることが出来ないはず・・・
そう、乗り移ろうとした「さわり猫」を引き寄せて逆に乗り移っていたのは、羽川翼自身だった。
彼女の絶対的正義の仮面の下にある
悪の要素を持った「ブラック羽川」こそが「さわり猫」の本性であり だからこそ見た目が白猫の化身でありながらもタイトル「猫物語(黒)」という黒がつくわけだ。
これは、奥が深い
しかし、このストーリー展開やら、相変わらずの会話というか対話のテンポのよさ。
そして魅力的なヒロインの見せ場・・・・というか魅惑的なポーズ、カメラワークなどこのシリーズ作品の良いところが今まで以上に負けじと強く出されていた。
まぁ少し やりすぎ感もあったわけで
グロさもかなりなものがある。
腕とか簡単にもげちゃうし
暦君なんて半身ぶっ飛んでしまうとかありえない
また、このころから吸血鬼は幼女になり、暦君との愛ともなんとも取れるお互いを必要としている関係が強く出ているところなどの表現も良い
今までの作品へとつながる二人の引き合う心の動きをあらわしていた。
作品の切り替わりなどでは、前作の有名曲がながれ過去のヒロインが画像で紹介されつつ流れていくなど盛り上がる要素が一杯。
そして委員長の魅力に押されてしまったが 二人の妹の兄思いのかわいらしさも満足がいくものであった。
とにかく有名作品いまだ健在だといえる良作品であることは間違いない。
またこの作品で委員長ファンが増えるんだろうと予測する。
1話「つばさファミリー 其ノ壹」
2話「つばさファミリー 其ノ貳」
3話「つばさファミリー 其ノ參」
4話「つばさファミリー 其ノ肆」
オープニングテーマ
「perfect slumbers」 羽川翼(堀江由衣)
エンディングテーマ
「消えるdaydream」 河野マリナ
声優
阿良々木 暦:神谷浩史
阿良々木 月火:井口裕香
阿良々木 火憐:喜多村英梨
羽川 翼:堀江由衣
吸血鬼幼女:坂本真綾
忍野 メメ:櫻井孝宏
暦の羽川に対する気持ちは死を具現化し、自己の死を直視することによって成就したといえる。
死ぬほど好きだった・・・・だから死ねたわけで
それをこえる愛を彼は羽川に与えることは出来なかった。
後に普通に付き合うなど、きっと彼の中ではもう許されないほどのレベルに達してしまったのではないだろうか・・・
また、羽川がそのときの記憶がないということによる防衛でもあると思う。
彼女を苦しめている心をそれ以上苦しめたくない、きっと思い出させたくない 暦を殺そうとした自分を思い出すときっと羽川は・・・・。
それが暦の後の行動を決定する
それこそが彼の羽川に対する愛の証であるといえる。