h02dvvd さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
人に勧められない傑作アニメ
【萌え】☆☆☆☆☆ 【シリアス】★★★★★
【ヒューマンドラマ】★★★★★ 【アカデミック】★★☆☆☆
【ギャグ】☆☆☆☆☆ 【演出】★★★★★
僕が観たことがある中で一番ヤバいアニメであり、これを超えるアニメは恐らくもう出てこないであろう。究極の異端アニメ。
・異端要素1:エンターテイメント性が見当たらない鬱シナリオ
このアニメには主人公が敵をなぎ倒す爽快感もなければ、熱い復讐もない。絶望を淡々と、重厚に描いているだけだ。気が滅入りそうになる。しかも序盤が絶望的につまらない。そもそも序盤はセリフがほとんどないのだ。最初の数話で観た人の9割が脱落しただろう。
ストーリーは中盤、吉井さんが動き始めるあたりから大きく展開し面白くなる。それまでは雰囲気を楽しむくらいしか面白い要素が見当たらない。
・異端要素2:グロい
ヤクザが出てくる話だけあってグロ要素はてんこ盛り。一話からいきなり腕と足を切断するシーンが出てくるってどうなのよ。グロが苦手な人は見てはならない。
・異端要素3:退廃的な世界観と物語
上の2つの要素に耐えられる人はこの傑作を存分に味わえるかもしれない。荒廃した世界の様子とどこか哀愁を漂う音楽の調和は実に美しいと言う他なく、秩序も何も無い世界で足掻く櫟士たちの生き様に心をえぐられる。一つの世界の滅亡をその世界の住人の一人、櫟士の視点から観ることができる。廃墟好きにはたまらない世界観である。
観終わったあとに残るのは悶々とした悲しみである。ごくごく一部のハマる人は盛大にハマるだろう。