ちゃんもり さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
人の心の「ご都合主義」のそのもうひとつ奥のお話。
なんだか「某軽音楽系日常アニメ」で見たことあるような
可愛らしいキャラが繰り広げる学園モノということで、期待値は低めで観始めました。
が、ところがどっこい。
演出というか見せ方が非常に上手い。
お話のスジとしては
部活動強制の高校で何の部活にも興味を見出せなかった5人の男女が放り込まれた「文化研究部」に突如現れた奇妙な来訪者によって、5人の人格が入れ替わったり感情増幅されてしまったりと妙な事件に巻き込まれていきます。
そんな事件の中で繰り広げられる5人の中の友情、恋愛とそれぞれの成長の物語。
やってることは非常に簡単なんですよね。
結局は主人公を巡るヒロインレースです。
ストーリーの主題としては平凡そのもの。
しかし上記のような事件を挟むことで、各キャラの心理描写を無理なく上手く表現できてます。
実はこの「キャラの心理描写」というのはとても大切で、ジャンル関係なく「作品に愛着が沸くか否か」の重大な指針になります。ここが弱いと作画が良かろうが設定がおもしろかろうが視聴者はキャラに感情移入できないため「この作品が好きか嫌いか」の判断ラインまで心が動かないですよね。
しかもこのお話、観てる方が痛くなるくらい心の中のエグいとこまで晒してきます。他作品だと他に見せ場を作りたいがためにこの辺の心理描写が何となくご都合主義になりがちですが、舞台設定の段階でその逃げ道をぶった切ってしまってるので真っ向勝負ですw
と言っても鬱な展開ばかりでもなく、元々キャラデザも可愛らしく作画も良好ですし、OP、EDも爽やかな雰囲気で見やすい作品だと思います。(青木、おまえが一番良い仕事してるb)
個人的に一番評価したいのは「予告の引き」。上手いですねー。EDの前にもってきて次回の「セリフだけ」断片的に入れることで牽引力倍増です。
期待度低めだっただけに良作だと感じました。
追記:個人的にいなばん大好きなんですが、境界線上の某アニメのせいであのスベリ政治家の顔ばかり浮かびましたw