itsme さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

上手で面白くて、好みストライク。そのオッパイは俺のモンだァァァァ！！

　柳沢テツヤさんが監督、吉岡たかをさんが構成と脚本とを担当していると知り、視聴しました。視聴したときには、原作は未読でした。

　あかほりさとるアニメからアニメ文化に嵌り込んだ私にとっては、久し振りに心から楽しめた作品となりました。何だかんだで自分が一番見たかったものをようやく見ることが出来た感も手伝い、とても好印象です。「自分がどれだけ楽しむことが出来たか」と聞かれたら、迷わず☆10と答えるでしょう(笑)ロマンを感じましたね。色々な意味で。
　おっぱいを楽しめる方で、テレビアニメ作品に興味を持っているならば、オススメできる作品かと。自分の人生の行く手に壁を感じている人なら、それを乗り越える為の勇気も貰えるかもしれないですね。おっぱいの狭間で(笑)

　おっぱいバトルアニメとして、既に一般に高い評価を受けていますが、ここでは、そうしたパッと見の装いに対してではなく、細かな作りの上手さについて触れてみたいと思います。
　何故なら、一見Ｂ級臭ムンムンの本作品の面白さ（と言うより、楽しさ）は、その「細かな作りの上手さ」に依っているところも大きいと感じられるからです。
　本作には、視聴者を楽しませる仕掛けが非常に多くあると、私には思えてならないんですよね。他の方もそんなには言及していないようなので、書いてみることにしました。


①音について
{netabare}　柳沢テツヤ監督は「音」のマイケル・ベイだと、私は勝手に思っております。視聴してみればすぐにわかることですが、本作は、派手なＢＧＭとＳＥとが異常に多用されています。柳沢テツヤ監督の特徴的な作風の一つですが、「取り敢えず視聴者のテンションを上げる」為には有効な手だと思います。
　食傷気味になったり、そもそもの音が良くないと効果半減だったりしますが、今回はバッチリプラスに作用していると考えて差し支えはないでしょう。音を作られた方は偉い！！{/netabare}
②カメラワークについて
{netabare}　本作は、さして大した意図の無い、かつ、大味なカメラワークにも溢れています。しかし、視聴者を退屈させないことについてはしっかりと貢献していますし、物語を伝えることにも貢献してくれています。って、意図はありますね(笑)取り敢えず、画面のテンションを高めようとしてくれている心配りを感じ、嬉しさを覚えます。{/netabare}
③構成について
{netabare}　物語設定の説明を原作から省き、内容の密度を高めたこと。また、クライマックス→短編→クライマックスという構成になっていること。最初の方に興味を持つに足る展開があり、作品世界に入り込むことが出来ました。結果として、おっぱいアニメであるという先入観を超えてくれたことは、その典型例と言えるでしょう。毎話「あれは特別に楽しかったかも」と思えるシーンがあるというのも、飽きやすい人間には嬉しかったです。地味ですが、凄いポイントだと思います。ちゃんと先が気になるような形で終わってくれるのも有難い。{/netabare}
④脚本について
{netabare}　普通に上手いです。また、原作からの変え方も、上手くやってくれていると思います。第一話の冒頭に「あ～、おっぱい揉みてぇ～…」という台詞を追加する等して、作品の掴みを良くしてくれています。視線が噛み合う会話シーケンスの作りの軽快さともあいまって、掛け合いがとても気持ちいい。敵役をより外道な形にしたのも、いい結果に繋がっていると感じます。強さの感じさせ方も上手かったですね。{/netabare}
⑤役者さんについて
{netabare}　面白い演技を見せてくれる方が多数参加。恵まれていますね。オッパイのくせに。{/netabare}


　このように、「絵を動かす」という形以外の、アニメーション作品としてはある意味で邪道な工夫が、本作品には多数見受けられます（「エンディングに入る瞬間が気持ちいい！！」「オッパイ！！」など）。しかし、それらの邪道な工夫は、視聴者が作品を楽しむために、ちゃんと効果的に機能しているように感じられます。「これこそ、Ｂ級アニメの底力！！」と言っていいのでしょうか(笑)

　そんなわけで、本作は、「そうか。視聴者を楽しませるには、こんなやり方もあったんだよな」と、改めてテレビアニメの作り方について考えさせられる作品でした。
　って言うか、イッセーさんカッコよかったです。Boost！！
　登場人物の心の動き方に説得力があるというだけでも、貴重なテレビアニメですよね。


　私は、弟二期の放送も、楽しみに待つことにします！！
　今回の水準を超えるのは難しいことと思いますが、制作者の皆様には、是非頑張って頂きたい！！
　もしも超えることが出来たら、視聴者の記憶に長い間残ることも、夢ではないと思いますよ！！