Tuna560 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
『ほしのこえ』作品紹介と総評
新海誠のオリジナルアニメ第2作目。
25分のフルデジタルアニメーションで、監督・脚本・演出・作画・美術・編集を、新海監督自身で殆ど行なったことで有名です。
(あらすじ)
2046年、「タルシアン」と呼称された異生命体の謎と脅威に対抗しようとする世界。中学3年生の長峰美加子は、国連宇宙軍のロボット「トレーサー」オペレーターの選抜メンバーとなっていた。翌年にはタルシアンの追跡調査のためエララ、ヒマリア、レダ、リシテアの4隻の最新鋭戦艦と1000人以上で編成されるリシテア艦隊の一員として、艦隊旗艦〔リシテア〕に乗艦し、生還の保障のない遠征調査に旅立った。地球には家族と、ほのかな恋心を抱く友人、寺尾昇 を残して……。 (wikipedia参照)
携帯電話のメールをモチーフに、宇宙に出た少女と地球に残った少年の間でずれていく時間と2人の想いを描いた本作品は、大きなメッセージ性を備えています。
表面上では人類と異生命体との宇宙戦争を描いていますが、水面下では美加子と昇の物悲しい純愛をテーマに描かれています。『最終兵器彼女』などと同じ様に、所謂「セカイ系」と呼ばれるジャンルの作品ですね。
{netabare} 調査艦隊がタルシアンの痕跡を追って地球から離れてゆくにつれ、美加子と昇の距離も光年単位で離れ、2人の携帯電話メールのやりとりにかかる時間も次第に長くなっていく。地球に届くのに8年もかかるメール…この作品では「空間的・時間的な超遠距離恋愛」を描いているのです。 {/netabare}
新海監督は本当に「人と人との距離感」を描くのが上手いですね。
『秒速5センチメートル』でもそうですが、離れた距離でないと見つからない事や、感じられない事柄を的確に表現している様に感じました。
さらに、本作が監督単独での作業によって完成されたと考えると…新海監督のポテンシャルに脱帽せざるおえません。