maruo さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
人とドール、その異同 B
原作未読
主要な登場人物(人形)は、中学生の桜田ジュンとドールの真紅(しんく)の1人+1体です。ジュンは引きこもりで言動が捻じ曲がっており、真紅は高貴なのですが尊大な態度です。両者は離れられない関係となりますが、なにぶん水と油のような関係なので、いろいろな騒動が巻き起こります。物語が終盤になるにつれて、ジュンと真紅の間に徐々に信頼感が芽生えてくるとともに、ジュンの心が少しだけ成長していく様が描かれていくという具合です。
他にも何体か出て来るドール(人形)が作中重要な役割を果たします。ドールということで少々誤解があるかもしれませんが、真性ロリコンが好むようなキャラクターではないでしょう。余り偏見は持たずにご覧になっていただきたいと思います。
登場人物(人形)の多くが、いちいち鼻に付く言動をするので、それを我慢して見続けることができるかがポイントです。陰に篭ったひねくれた少年、あるいは尊大な少女(人形)が苦手という人には、この作品は余りお勧めしません。ただ、お気に入りのドールが見つかりさえすれば、多少キャラの個性に違和感を覚えても、継続視聴の障害にはならないと思います。
気になったのは、{netabare}最終回で水銀燈(すいぎんとう)が未完成品であることが分かったことです。悪辣な性格や他のドール達に対する容赦なき仕打ちの理由が、未完成品であることに求められていました。そして、最終的には炎に巻かれてしまいます。原作者又は製作者側がどのような意図だったか分かりませんが、少し恐ろしくなりました。ドールではなく、人間に置き換えてみたらどうでしょうか・・・。これ以上は敢えて言いません。{/netabare}
一番気になったところが、他の人とは違うかも知れませんが、感じたままを記させていただきました。私の頭がおかしいのだという批難も当然あろうかと思います。ただ、私は本作がドールを人と違わぬような存在として描いていると思ったからこそ、もっと慎重に描いて欲しかったと考えるのです。もし、ネタバレ部分に興味が湧いたようであれば、ぜひ視聴してみて下さい(そして私を批難してください)。