Tuna560 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
『秒速5センチメートル』作品紹介と総評
新海誠監督の代表作といえる作品。
2013年、書き初めならぬ「アニメ初め」です!
実は、漫画版と小説版は読んでいたのですが、劇場版は観ていなかったり…たまたまBSで「新海誠特集」なる物が放送されていたので、やっと観る事が出来ました(汗
「桜花抄」「コスモナウト」「秒速5センチメートル」の3本の短編から構成され、遠野貴樹と篠原明里の「近づく事の無い恋心」が描かれています。ストーリーを知っているにも関わらず、別作品を観ている様な感覚に陥りました。もちろん、いい意味でです。
まず、映像表現や作画の細かさが尋常では無い!四季折々の自然描写に色や動きが加わるだけで、こんなにも印象が変わるのかと驚きました。特に、桜の花びらが舞い散るシーンはとても素晴らしい。
そして、終盤に流れた山崎まさよしの「One more time, One more chance」とその曲に合わせて作られた全てのシーンが、よりこの作品にグッと引き込んでくれました。久々に、アニメを観て鳥肌が立ちました。
題名でもある『秒速5センチメートル』も赴き深いですよね。
時速に直すと「180m/h=0.18km/h」。
一般的な人間の歩行速度が時速3km/hぐらいなので、比べてみるとかなり遅いんですね。時速で表記すれば遅いのだと分かりますが、秒速表記だとどこか速く感じてしまう。とてもいい表現に思います。
そして、この題名は「貴樹と明里の心の距離」がなかなか近づかないことにも掛けてあるんだなと感じました。ナレーション中心のストーリー展開が、さらに「二人の距離の遠さ」を露にしてくれます。何とも切ない物語です。
ちなみに、漫画版では劇場版では描かれていない後日談が追加されています。「コスモナウト」で登場した澄田花苗の追加エピソードとなっているので、気になる方は是非読んでみてはいかがでしょうか。