Smog さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
物語シリーズ3作目。言葉遊びにこだわった独特な世界観を、前衛的な作画と演出で味付けした作品。
ライトノベルが原作。
全4話。
化物語、偽物語に続く物語シリーズ3作目です。
言葉遊びにこだわった独特な世界観を、前衛的な作画と演出で味付けした会話劇。
2012年12月31日22:00~24:00で、ニコニコ生放送と地上波デジタル放送で完全同期の一挙放送が行われた作品。
一番の見所は、独特な世界観でしょう。
物語シリーズは、登場人物のかけあいのテンポの良さ、言葉遊びを意識した会話劇が特徴です。
シリアスな内容もコミカルなやりとりも、すべてが会話劇の中で展開します。
言葉遊びに夢中になって本筋から脱線したり、サービスシーンを無駄に掘り下げて脱線したり、脱線することこそが本筋と言わんばかりに脱線が目立ちます。
しかし、そうかと思えば、実はそれがストーリー上の重要な伏線になっているなど、ただ単に脱線するだけでなく、斜め上をいく展開で視聴者をうならせ、飽きさせないように構成されています。
ともすれば「ただの会話劇」となってしまいそうですが、そうならない要因として作画の演出が一役買っています。
のっぺりした色づかい、矩形を多用した背景、独特なカメラワーク、部分的にリアルに描かれたキャラの表情、言葉を意識させるフォント上の演出などなど、特徴的な作画で世界観を魅力的に引き立てています。
また、音楽や効果音、サウンドエフェクトも効果的に使われています。
特に、こまめに声優さんの声のボリュームに強弱をつけたり、ノイズやエコーなどのエフェクトを加えたりする演出が印象的でした。
これらすべてのバランスを絶妙に整えて、魅力的な世界観を描く新房監督とシャフトの手腕には脱帽です。
ストーリーについて、猫物語は、前作までと比べて、萌要素が薄く、ストーリー性やメッセージ性が強い作品に仕上がっています。
時系列的には、アニメ化済の3作中で一番はじめにあたる作品ですので、前作が未視聴でも楽しめる内容です。
しかし、前作までに語られなかった伏線の回収も含まれていますので、前作までをあらかじめ見ていた方が楽しめる内容だと思います。
声優さんについて、前作から引き続き豪華声優陣です。
神谷浩史さん、堀江由衣さん、井口裕香さん、喜多村英梨さん、坂本真綾さん、櫻井孝宏さんなどが出演されています。
物語シリーズは全シリーズがアニメ化されることが決まっています。
次は劇場版の傷物語ですね!
今後ますます目が離せなくなることは確実ですので、要チェックです。
化物語、偽物語を見た方はもちろん、物語シリーズをご覧になっていない方にもオススメできる良作です。
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補足として原作発行順と時系列順の情報を載せておきます。
(もし原作を読まれるのでしたら、発行順に読むことをオススメします)
【原作発行順】
化物語(上下)
傷物語
偽物語(上下)
猫物語(黒)
猫物語(白)
傾物語
花物語
囮物語
鬼物語
恋物語
憑物語
終物語(未刊行)
続終物語(未刊行)
【時系列順(主観も含む)】
傷物語
猫物語(黒)
化物語(上下)
偽物語(上下)
傾物語
猫物語(白)
鬼物語
囮物語
恋物語
憑物語
花物語
※終物語・続終物語は未刊行のため不明