TY さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
お前とセッションしとる時が一番楽しかばい!!
この物語はJazzを通じて心を通わせた高校生達の
青春群像劇です。
(原作マンガは未読ですが。。。)
舞台は長崎の佐世保。
海に囲まれ、古くから異文化が入ってきた街。
戦後は米軍基地が置かれた影響でアメリカの大衆文化の影響も
強いイメージ。
この作品は作画がクラシックな雰囲気のタッチで、南国特有の
陽射しや海などの自然、また佐世保ならではの街並が趣味良く
表されていてとても綺麗だ。
時代は1966年。
60年代といったら海外では冷戦の真っ只中で、それに伴う
ヴェトナム戦争が本格化していた頃。
国内でも学生運動がヒートアップしていた時期だ。
私見だけど、特に国内ではこのような左派的思想が文化人
知識層にもてはやされ一種のファッションになっていて
そういった人達が好んで聴いたのがJazzだった。
こういった事情もJazzという音楽に対する近寄りがたい
イメージに繋がっているように思う。
こういった時代背景の中で出会った男女3人。
{netabare}
いつも明るく純粋な心を持ったヒロイン 律子を通して
お互いに興味を持ち始めた、内向的で排他的な性格の
主人公 薫(ボン)と札付きのワル 千太郎。
ある日、招かれた律子の実家であるレコード店の地下。
そこにはドラムセット、ウッドベース、ピアノが置いてあり
センは毎日のようにそこでJazzのドラムを練習をしていた。
対抗意識を持ったボンはクラシックピアノの素養があったため
センとのセッションを通じてメキメキと腕を上げていく。
{/netabare}
っといったストーリーの流れなんだけど、もちろんJazzだけ
じゃなくて学園、恋愛、友情、人生要素もある。
というか後者の方がメインなわけだけど、このアニメの最大の
見所は?
と問われればやはり臨場感あるセッションシーンという
ことになる。
実際に若手の実力派ジャズミュージシャンの演奏風景を
10台以上のビデオカメラで様々な角度から撮影。
それを基に作画が行われたそうだ。
だとしたらあの臨場感は余計にスゴイっ!!
ピアニストの指の動き、ジャズドラマー特有のしなやかな
動きや各楽器奏者特有の動きの癖(頭や腕の振り、足の動きとか)なんかも音に合わせて忠実に表されててかっこいい!
{netabare}
しかも、基になったミュージシャンの演技も素晴らしくて
要はジャズ初心者のボンが演奏をはじめたころはちゃんと
音だけじゃなくて手の動きやリズムもおぼつかない
といった風に再現されている。
さらにジャズバーでの演奏シーンにおいてセンが固くなって
ビートがややもたってるとこなんかも忠実に再現されてて
驚きだった。
{/netabare}
う〜ん♪
ジャズのセッション特有の空気感や遊び心も自然に表現されてて
よかった。
むしろ、リアルのセッション風景では真面目に演奏しようと
するあまり、自分の表現や遊び心を忘れてしまいがちな人も
多い気がする。
(あまり偉そうなことは言えませんがw)
そういった意味でもJazzって粋で楽しい音楽なんだよねって
再確認させてもらった気がする♪
欲を言えば高校3年間を描くには話数が足りず、ストーリーに
駆け足感があったことかな〜?
素敵な世界観、ストーリだっただけに2期構成ならもっと
充実したように思う。