たつじん さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
シャフトが映像技法で魅せるラブストーリー
「化物語」好きで・・・シャフト制作のアニメを探していてこの作品に出会いました。
やはりシャフト独特の演出で期待を裏切らない作品ですね。
廃線になった無人駅、物憂げにたたずんでいる新藤千尋(ちひろ)を見かけ声をかける
小説好きの麻生蓮治(れんじ)。
~子供の頃からお姫様を守るナイトになることを夢見る少年~
彼はこの日を境に毎日駅へと向かい、「千尋」と言葉を交わすうちに徐々に惹かれていくのだったが・・・
ある日、「千尋」から彼女が抱えるハンデの話を打ち明けられる。
一方、クリスマスの夜、ひょんなことがきっかけで天真爛漫に振る舞う宮村みやこに出会う高校生漫画家の広野紘(ひろ)。
~高校生でプロになりながらも、何か物足りなさを感じている少年~
彼のそばにはいつも「お兄ちゃん」と寄り添ってくる幼なじみの新藤景(けい)がいるが・・・
2人の間に、「みやこ」が現れたことで3人の葛藤が始まる。
この2つのラブストーリーは、接点が「景」と「千尋」が双子の姉妹であることだけで、話中に携帯メールのやりとりはあるものの、交差せずに同時進行していきます。
だから話の中で、突如場面が変わることが多々ありますが、個人的にはそんなに違和感なく観ることができました。
遠近法で風景画を思わせるようなシーンやパノラマ画で雲が流れるシーン、デッサンのような画、モノクロ・幾何学的描写などシャフト独自の映像技法が満載です。
その多彩で斬新な表現が、登場人物のセリフ以上に観ている者に語りかけてきます。
とても美しくてアーティスティックな作品でした。