Tuna560 さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
『ヨルムンガンド PERFECT ORDER』作品紹介と総評
前作から1クールの期間を空け、制作された続編にして完結編。
物語としては、前期より示唆されていた、ココの企てる『ヨルムンガンド計画』の全貌についても描かれている。
前期レビュー:http://www.anikore.jp/review/384777
原作をあらかじめ読んでいたため、始終原作に忠実な展開は安心して観れる物でした。また、物語のラストに関しても、ヨナ目線で物語を楽しんでたので、個人的にはとても良く思いました。
作画や、音楽に関しては前期と変わらず高クォリティーで、非常に安定した作品に思えます。
この作品で最も印象的だったのは、やはり”矛盾した理念”でしょう。
ココ曰く、「武器を売るのは、世界平和のため」。
世界平和に最も遠い位置にいる”武器商人”が掲げる目標としては、あまりにも矛盾している。{netabare} しかし、人間に絶望し世界を忌み嫌いながらも、武器を売る行為の犠牲に報いるため、推し進めた「強制的世界平和」を実現させる計画は、多くの犠牲を生む物でした。
「戦争を回避する為にはそれなりの犠牲が必要」、「戦争による犠牲に比べればちっぽけな物」。このココの考え方は、武器商人らしい考え方だなと思いました。しかし、「世界平和」を願う人の考え方とは、やはり矛盾していると思えます。
しかし、『ヨルムンガンド計画』の発動までの2年間に、世界が「第三次世界大戦前夜」と評される中で、当初の予想犠牲者とほぼ同数の戦死者がでた。これを考えると、ココの考え方はあながち間違ってなかったのかなと思ってしまう。 {/netabare}
「世界から武器をなくす、戦争をなくす」ということが、途方もない事なんだなと、考えさせられました。そして、ただ「クールな作品」で終わらない、テーマの深さを感じました。