たつじん さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
雪の降るこの時期だからこそ観たい
TVアニメシリーズのどたばた劇とは全く趣の異なる作品です。
意外にもハルヒの出番は少なく、長門有希がクローズアップされていて、今までと違った有希が見れます。
劇場版として一応は完結していますが、それぞれの人物像をあらかじめ知るためにTVシリーズを観てからをお勧めします・・・と言うか観てないと、この作品の良さは十分に伝わらないでしょうね。
特に2期8話の「笹の葉ラプソディー」は観ていないとちょっとわからない部分があるかも・・・。
ある日、ハルヒが存在しない現実を目の当たりにしてキョンが奔走する物語です。
{netabare}
それにしてもよく出来たストーリーです。
涼宮ハルヒシリーズの最後の作品でありながら・・・
キョンの「世界を大いに盛り上げるためのジョン・スミスをよろしく!」という3年前の七夕の夜の言葉をすべての始まりにするとは・・・
それに本来、感情を持たないはずのヒューマノイドである有希が時空改変の犯人だったことにも驚きました。
ラスト近く、夜景の見える病院の屋上で、キョンが長門有希の頭の雪をそっと振り払いコートをかけてあげて・・・
そして有希の「ありがとう・・・」の言葉。
まさに有希の感情を垣間見る名シーンです。{/netabare}
2期の放送当時、「エンドレスエイト」に少なからず感じていた不満が一気に解消しましたね。
この作品のために2期があったのだとも思えます。
エンドロールでは茅原実里さんが歌うアカペラの「優しい忘却」が流れ・・・
観終わって切なくも儚い、それでいて心が洗われるような・・・
雪の降る日に観たくなる名作です。