sherlock さんの感想・評価

4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

本物とは何か?

このアニメはオンラインゲームの中が舞台となる…
そこで感じた事は我々の生きている世界とゲームの世界の明確な違いについてである

皆さんの中には、現実と夢を区別するために我々が利用している痛覚自体
夢で作られ痛いと感じるような気がするだけだと考えた人がいるかもじれない

今回特に前半はコンテニューができない（死を意味する）上に
五感で実際に感じる事ができるほぼ現実と大差ないゲームであった
このような状況で人の死に触れ、自分が誰も助けることのできない無力感を感じ、
裏切りや陰謀を知りまた、助け合うことの素晴らしさを経験した
これらの経験を通しても人は人間的に成長することはなく経験値が上がるだけなのだろうか?

キリトはゲームの中で二年間大変成長したと思う
最初、キリトは自分が強いと心のどこかで感じていた
しかしある出来事を境に誰も救えないという無力感、
絶望という悲しみを味わった…
そして、悲しまなくていいように人を遠ざけた…

そんな時ある一人の女の子との出会いがキリトの運命を大きく変えた…
人の温かさに触れた瞬間である…
ここからキリトは愛する人を絶対に守るんだという強い愛情（信念）が
ゲーム上のスキルを超えた力を生み出すことを学ぶ…

後半はキリトが愛するもののためにゲームマスターという
ゲーム上の絶対的存在と必死になって闘う姿が非常に格好良かった

しかし、僕が注目したのは叶わぬ恋である…
今回感じたのは兄妹が一番身近で遠い存在であるということである
互いの良い面と悪い面を一番よく知っているからこそ
相手の全てを受け入れる事が出来た時
相手への想いが強くなってしまうことは不思議なことではない
幼馴染で好きになることが多いのもこれが根本となっているからではないだろうか

ただし、兄妹は法律という制約で縛られている
その上、キリトは生死を共に乗り越え深い絆ができたアスナの存在を
誰よりも大切に思い将来を共にしたいと考えている
そのような状況で皆は兄のことを一人の男として好きになることができ、
また、心から溢れ出る想いを必死に押し殺して兄の恋を応援できるだろうか?

おそらく普通ならば兄妹の恋など非常識だと周囲の目を気にし、無意識のうちに
相手を遠ざけるだろう…
しかし直葉の場合、遠ざける事が出来ないほど兄のことを愛してしまい
それほど強い想いを持っているにもかかわらず胸の中にしまい続ける
直葉のつらさと心の強さを僕は強く感じ取った
さらに、相手の幸せを願い応援するという行動にまで至る直葉の
妹としての兄への想いに感銘を受けた

-ここからは私事なので見なくて結構です-
僕にも似たような経験があり
おそらく両想いだった女の子のことを諦め遠ざけるために
つまらないことで怒りそれきりきちんと話していない過去がある

…その時僕は親友がその女の子のことを好きだと気づいてしまったことに本当に後悔した

親友だからこそ言わなくても気づいてしまう自分に嬉しさと悲しさが一気におしよせ、
これからどうするべきか本当に悩んだ
おそらく僕がその子と結ばれても親友は心から喜んでくれるだろう
だが、その場合僕は罪悪感から彼女と一緒に素直に楽しめないと思った
そうすると僕は彼女と彼…二人を不幸にしてしまうことになる
それを考えると自分の心の弱さから二人の幸せを選んでしまった

今でも彼と彼女はまだ付き合っている…
僕は親友と好きだった女性が幸せなのを本当に嬉しく思う

ただ、今改めて考えると
もし僕がその子のことを本当に好きだったら諦めきれるのだろうか…？
ただ、自分が親友に嫌われたくないから現実から逃げただけなのではないか…?
…と考えてしまう
今でも唯一心残りなのは、自分の恋へけじめをつけるために
彼女に一方的に怒り遠ざけてしまったことである
本当に謝っても謝りきれない…(>_<)

えー、最後は非常にどうでも良い内容を長々と書き連ねてしまいましたが
本当にバトルとキリトの成長が気になる大変面白いアニメなので
ぜひ見てください!!＼(^o^)／