ぱるうらら さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
邪気眼系の中二病患者達のお話
『中二病でも恋がしたい!』はラノベ原作、1クール(全12話)の学園・青春ラブコメディアニメです。
ネットスラングの一つである「中二病」というワードをテーマに取ったこのアニメは、非常に斬新ではありますが、若者向きなイメージも強いために、どちらかと言えば中高生を対象にしたハチャメチャで唐突的ラブコメディという印象を持っていました。そして、その前半部は観ている此方の方が恥ずかしく、また痛々しくなって来る様な展開ばかりでした。それでも、登場人物それぞれのキャラ立ちはとてもしっかりしており、人数自体も少ないため親しみ易く、尚且つキャラデザと声優が良かったため、それらの点でかなりの評価は得られていたと思います。
物語が動き出す後半部からやっと其れなりに一般受けされる様なシリアスな展開が始まリ、前半部との印象も大きく変わって来ます。この時点で、焦点は主人公の“富樫 勇太”とヒロイン“小鳥遊 六花”に固定され、それまでの学園ムードから一変、恋敵のいない初々しい青春とその裏にある苦悩を元にしたちょっとドラマチックな展開が観られました。ただ、その前半の流れからの豹変振りには驚き。ある意味では不安定な作品とも言えるかも?
先ほど述べたシリアス展開の一連の流れ自体はよくありがちなモノなのかもしれませんが、そこに中二病という設定の下、中二病時代の二つ名や道具、言動等にはユーモアがあり、自分の妄想世界を具現化したアニメーションならではの戦いは、アクションを重視したファンタジーアニメとは異なり、現実との対比というシュールさを兼ねていため、そこに趣がありました。その戦闘自体の完成度もアクションとはかけ離れたアニメにしてはなかなかのモノ。
製作が京都アニメーションと言う事で前々から結構期待していた作品でしたが、まぁ可もなく不可もなくといった感じでした。人によって好みが分かれる作品です。