namnam さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
重く、そして透き通った余韻
日本を離れてイギリスの荒波にもまれている中、図書館である歴史の本を手に取ったことがある。
そこには自分が義務教育で学んできた ”日本” という像が、全く予想だにしなかった観点で表現されていた。
右翼だとか、左翼だとかいった自我の固まりがあったわけでもなく
外国かぶれの戦時下の卓上理論があったわけでもない。
そこにはあの第二次世界大戦時での日本と、偶発的に組み重なって出来上がった、この今の日本。
それだけがシンプルに書き表されていた。
”もしあの日、サラエボ事件のような1人の青年が国と国の条約を崩壊させたとしたら”
”もしあの日、安保条約が締結されなかったとしたら”
”もしあの日、、、だとしたら”
今いる世界は、この作品のようになっていたのかもしれない。
そんなパラレルワールド的な感覚。
実際の歴史とのリンクが妙にリアルで、いつの間にかに引き込まれている自分がいた。
重いけれども、透き通った余韻を持った作品。