Tuna560 さんの感想・評価
4.4
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
『狼と香辛料』作品紹介と総評
支倉凍の同名ライトノベルのアニメ化作品。
(あらすじ)
旅の青年行商人クラフト・ロレンスは、商取引のために訪れたパスロエ村を後にした夜、荷馬車の覆いの下に眠る一人の密行者を見付ける。それは『ヨイツの賢狼』ホロと名乗る、狼の耳と尻尾を持つ少女であった。
ホロは遙か北の故郷『ヨイツ』を離れての放浪の中、パスロエ村の麦に宿った狼であった。ホロは神と呼ばれ、長年村の麦の豊作に尽くしていたが、農業技術の進歩によってないがしろにされるのを感じ、望郷の念を募らせていた。そしてついに収穫祭の日、通りかかった荷馬車の麦束に乗り移って、村を脱出したのであった。
少女が狼の化身であることを知ったロレンスは、彼女を旅の道連れとした。二人は行商の途中、様々な騒動に巻き込まれながら、ホロの故郷を目指して旅をすることになる。(wikipedia参照)
狼の化身である少女と青年行商人の道中で起こる様々な事件を、軽妙洒脱な掛け合いもちりばめつつ描く「剣も魔法もない」ファンタジー物語であり、中世ヨーロッパ的な世界での経済活動に争いの舞台を置く異色作です。街と教会の関係性や、商人と組合の位置づけなどの細かな世界観も宗教改革前のヨーロッパを彷彿させ、こだわりを感じ取れました。
その中でも、この作品の最大の見所は「大きな経済と小さな経済」が描かれている所でしょう。教会や組合が絡む大きい経済から、商人同士の商談でのやりとりといった小さな経済まで、「経済」の基本がわかりやすく描かれています。とくに、商談の中で交わされる値交渉のやり取りはとても面白く感じました。
昨今のアニメのジャンルの豊富さを体現している作品でしょう。