「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(アニメ映画)」

総合得点
77.6
感想・評価
1557
棚に入れた
8478
ランキング
611
★★★★☆ 3.9 (1557)
物語
3.6
作画
4.2
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
3.9

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ネタバレ

asbone さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.0 状態:----

ヤフー ストア「ファンタジー工房」

圧倒的人気を誇るアニメ「エヴァンゲリオン」。その劇場版の最新作です。

この劇場版シリーズは、かつてTVで放送されていたものとは全く異なるストーリーで構築されています。
シリーズを仕切り直したリブート作品ととらえてもよいでしょう。

そして、本作は全4部作で展開するシリーズの3作目であり、起承転結のうち「転」にあたる物語。
多くのファンは、クライマックスへと繋がる展開を期待していたと思います。


そして肝心の本編なのですが、良くも悪くも、そのファンの予想を裏切りまくる内容になっています。

ネタバレしてない範囲で何とか言えることは、
①とにかく先の読めない展開が待ち受けていること
②ファンにとっても賛否両論なこと
③シンジくん(主人公)マジ可哀想
④意味不明

特に④が恐ろしいことになっていまして、観ていて本気で意味がわかりません。
しかもこれは「コアなファンならわかる」レベルじゃなくて、明らかに用語や背景が(意図的に)説明不足です。

観客は前作で築き上げたものが崩れたような超展開を目の当たりにし、シンジくんと一緒に「なんでこんなことに・・・」と本気で思えることでしょう。
ファンであればあるほど、この展開は受け入れがたいかもしれません。
ついでに庵野秀明監督の精神状態が心配になります。

もちろん、これも悪いことばかりではなく、「先読みが全くできない」という面白さがあります。
「一寸先は闇」な不安感と、圧倒的なクオリティのアニメーションは確かに劇場で観る価値があるものです。

でもこれはいくらなんでも観客をおいてけぼりにしすぎなんじゃないかと・・・
個人的には背景、設定、キャラの描写の不足よりも、戦闘シーンの意味がわからなかったのが致命的でした。

こういうわかりづらさが、「ファン同士で語り合うことができる」エヴァの魅力であることは重々承知ですが、さすがに今回は突き抜けすぎなような気さえします。
数多くの謎が解明されず、さらに大風呂敷を広げたように思える本作は間違いなく「問題作」でしょう。

この観ていて頭に「?」が出まくってポカーンとなる雰囲気もエヴァらしいっちゃエヴァらしいので、めずらしくはないけど・・・一番面白かったのは、満席の劇場で起こった、観た後のざわ・・ざわ・・・な観客の反応だったかもしれません。

「破」のようなエンターテイメント性のある作品を求めると期待を裏切られることは必死ですが、自分は「観客に新しい展開を見せよう!」という心意気が溢れている本作が嫌いじゃありません。

言うまでもなく、前作「破」の鑑賞は必須。
一見さんお断りの本作は、是非ファン同士で観てみてください。


そういえば、新劇場版ではシリーズごとに序破急のタイトルがつけられていましたが、本作では「急」ではなく「Q」と表記されています。
本来の意味は「Quickening(胎動、急がせる行為)」ですが、「Q」は観客へのクエスチョンであり、さらに謎が深まる本作品を暗示しているものなのかもしれません。

さらに英題は「Evangelion: 3.0 You Can (Not) Redo.」。
redoは「やり直す、修復する」の意味。
観たあとは、きっとその単語が示すものがわかると思います。


また、同時上映の10分程度の短編特撮映画「巨神兵東京に現る」がかなり楽しめました。
庵野秀明監督は「風の谷のナウシカ」で、巨神兵の原画を作成しているのですよね。
こちらを読むとより楽しめるかと思います↓
<もののけ姫とエヴァンゲリオン(宮崎監督と庵野監督)>
<404 Blog Not Found:巨神兵の正体 - 紹介 - 館長庵野秀明特撮博物館>
<エヴァQをスルーして「巨神兵東京に現る」について語るスレ:ろぼ速VIP>(ネタバレ注意)


まだ「Q」を観ていない人は、こちらの記事を参照することをおすすめします↓
<【ネタバレなし】『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』は、とにかく下準備してからいこう。 - たまごまごごはん>

以下、ネタバレと考察です 展開を箇条書きした上に結末までネタバレしまくっているので、未見の方は絶対に読まないでください↓ 「破」のネタバレもあります。











はじめに展開を箇条書きし、その後に疑問点をまとめています。

~作中の展開~

・冒頭は宇宙空間での戦闘シーン。「アスカ」が戦っている
・アスカは途中まからヘルメットをはずす
・「マリ」も援護射撃をしている
・アスカが「何とかしなさいよ!バカシンジ!」と言うと、謎の光が発せられる。
・何か(「シンジ」の入った箱)が、地球の大気圏に落下する
・「流れ星」を見た「カヲル」は、「お帰り碇シンジくん、待っていたよ」と言う。

・シンジが目覚めると、拘束され、何者かに運ばれている。首にはバトルロワイヤルの首輪みたいなのがつけられている。

・先のコクピットみたいな場所に行くと、そこには「ミサト」や「リツコ」もいて、ミサトは何やら指揮をとっている
・シンジは、アスカとマリが戦っていると知るやいなや、「ミサトさん!僕は・・・」と叫ぶが、ミサトは無視。
・さらにシンジは「僕が初号機に乗らなくていいんですか!」と聞くが、ミサトは「必要ない」と答える。
・あまつさえミサトは「シンジくん、あなたはもう何もしなくていい」とほざく。

・「戦艦」が動き始める。
・何かが「回旋」していたり、アスカの乗った弐号機が「接続」したり、「点火」したりしている。さっぱり意味がわからない。
・「コアブロックが出た」ので「振り回す」。何をやってるんだろう・・・
・ミサトは敵が攻撃できると知るやいなや「ならば結構、撃て!」と言う。格好いい。
・それを見て、「高雄コウジ」は「加持の話より面白い艦長だ」と言っている。
・戦艦は無事に発進。

・リツコはシンジに「あなたのエヴァとのシンクロ率は0%よ」と告げる。しかし『覚醒』することでシンクロすることも可能らしい。
・シンジにつけられていた首輪は、『覚醒』すると死ぬというシロモノだった。14歳の子になんてものつけるんだ。
・「鈴原トウジ」の妹である「鈴原サクラ」がいるが、シンジは彼女がトウジの妹と言うには彼女はだいぶ年上に見えるので疑問に思う。

・そこにアスカ登場。アスカの口から「14年たったってことよ」という驚きのことばが発せられる。
・アスカはガラス越しにシンジを殴る。「これは苦しみと悲しみの累積」らしい。
・シンジは「綾波レイ」のことをアスカに聞こうとするが、アスカは「知らない」「この世界はもうそんなことに反応しているヒマはなくなった」と言う。

・シンジの頭の中に「碇くん、どこ?」というレイの声が響く
・ミサトから、自分たちが『ヴィレ(wille)』というネルフと敵対している組織に属していることが語られる。ヴィレの目的は「ネルフのエヴァを殲滅すること」らしい。

・レイの声がするほうに、エヴァ零号機登場。
・ミサトはシンジに「エヴァに乗るな!」と言い、サクラも「とってもいいですけど、エヴァにだけは乗らんといてくださいよ!」と釘を指す。
・でもシンジはエヴァ零号機とともに逃げる
・ミサトはシンジ「首輪」を作動させようとするが、「OUT OF RANGE(届かない)」になってしまう。
・アスカはそんなシンジの行動を見て「あれはもうバカじゃない、ガキね」と言う。

・シンジが目覚めると、そこにはレイがいた
・シンジはレイとともにエスカレーターを降りる
・ピアノを弾いているカヲルを見かける
・シンジ、レイ、カヲルのもとにゲンドウ(シンジの父)登場。
・ゲンドウは「ここにエヴァ13号機がある。お前と、その少年が乗れ、話はそれで終わりだ」と言う。お父さん、冷たすぎ。14年ぶりの再会のことばがそれだけかよ!そりゃシンジくんもグレます。

・シンジの部屋にプレートに乗っけられたペースト状のごはんが送られてくる。まずそう。
・シンジくんは部屋を抜け出し、レイのもとへ会いにいく
・倉庫みたいな部屋に行くと、レイはプラグスーツへ着替える途中だった。シンジはよく裸に遭遇するな。
・レイは新たな「黒いプラグスーツ」を着ている。シンジは「黒だとちょっと・・」とお気に召さないようす。
・レイは「命令を待っている」「(本を読むことを)綾波レイなら、そうするの?」「好きって、何?」などと言う

・カヲルは、シンジをピアノの連弾に誘う
・カヲルは「生きていくためには新しい経験を手に入れるしかない」「(もっと上手く弾けるかなという問いに対して)気持ちのいい音を出せばいい、反復練習さ」などとシンジにアドバイスをする。
・雲が白馬に変わるイメージも挿入される。
・シンジは、カヲルを「星を見る」ことに誘う
・カヲルは「僕は君に生まれてきたんだね」とシンジに言う。溢れ出るホモ臭

・部屋に戻ったシンジは、今日着る服(学生服)の裏面に「鈴原トウジ」の名前があるのを見る。
・シンジは、カヲルに「心配になったんだ、14年間も初号機の中にいて、変化が怖いんだよ」とカヲルに胸の内を吐露する

・カヲルは、そんなシンジに「シンジがレイを救ったことがきっかけになり、『サードインパクト』が起こった」という真実を見せる。

・ゲンドウが推進していた「人類補完計画」が、「(サードインパクトをひきがねとして)新たな生命を創りだす」計画であることが語られる。
・ゲンドウは「ゼーレの歴史は私が変える」とか言っている。

・シンジは「僕は知らないよ!」「どうしようもないよ!」と言う。
・カヲルは「君に罪はなくても、他人からはある」「でも、希望はある。どんなときでもね」とシンジに告げる
・シンジは「綾波を救ったんだ!それでいいじゃないか!」とほざく。さすがにかわいそうに思っていたけど、やっぱりヘタレ主人公だな。

・ネルフの副司令官である「冬月コウゾウ」は、シンジを将棋に誘う。
コウゾウはハンデとして飛車・角・金は落としてくれるけど、シンジは31手先まで読まれて負ける
・「崩し将棋」をはじめる。
・その間、コウゾウはシンジの母である「ユイ」が「エヴァ初号機の専用システムになっている」ことを明かす。シンジの母は自ら被験者となったらしい。
・シンジの母親の『一部』が、「綾波シリーズ」の中に埋め込まれたらしい
・コウゾウは「世界を創るのは簡単でも、創り直すのはそうもいかん」と語る。
シンジが去ったあと、コウゾウは「全く嫌な役だ、ユイくん、それでいいな」と言う
・ゲンドウは「もうすぐ会えるな、ユイ」と目が真っ黒な巨大な顔面の前で言っている

・シンジは失意に沈み、部屋でカセットテーププレイヤーのイヤホンを外し、叫ぶ。
・「何をしてるんだ、僕は!」と言うシンジ・・・
・そこにカヲルもいる。シンジは「エヴァなんかに乗りたくない!」「いいことなんて何にもなかった!」「誰も信じられない!」と言う。イラッ
・カヲルは「エヴァに壊されたものは、エヴァで再び変えたらいい」と言う。
・カヲルによると、「ドグマにある2本の槍」を手に入れることによって、『フォースインパクト』をふせぐことができるらしい。

・カヲルは、シンジについていた首輪をしれっと外す。なんで外せるねん。
・その首輪をつけるカヲル。
・シンジの「君ならできる」と言うことばに対し、カヲルは「君『と』ならだよ」と答える
・シンジは「なんでもわかっちゃうんだ」と言い、カヲルは「君のことばかり考えているんだ」とさらなる怪しい発言。
・お互い「カヲル」「シンジ」と呼び合うことを許し、顔を赤らめるシンジ。もうお前ら結婚しちゃえよ。

・シンジとカヲルは「ドグマ」の深部へ。レイ(ではないけど)も「マーク9」に乗ってついてくる。
・シンジくんは「綾波じゃないのに」「僕らだけで十分」とか言ってる。
・ドグマの最深地は『サードインパクト』の爆心地らしい。そこには「リリスのむくろ」があった。
・そこには、「ロンギヌスの槍とカシウスの槍」らしきものが刺さっていた。
・しかしカヲルは、その2本の形に疑問を示す。

・アスカの乗った弐号機登場。弐号機VS13号機。マリも援護している。
・アスカは「このガキが!」と言い攻撃、シンジは「なんで邪魔するんだよう」と駄々っ子のように言いながら反撃。
・この間、カヲルは何やら考えていて一切戦闘に参加しない。お前も戦えよ!

・マリはレイの乗っているマーク9に向かって「アダムスの器(うつわ)になる前に出たほうがいいよ」とか言ってる。
・アスカに「オリジナルのあんたはもっと愛嬌があったわよ」となじられ、レイは「オリジナルの私・・・」と言う
・アスカのエヴァが「LOW BATTERY」になる。
・だけどマリによりバッテリーが近くに送られる。そんなんでいいんかい。

・カヲルは「やめようシンジ君、あれは僕らの槍じゃない」とシンジに告げる
・しかし、シンジは「必要って君が言ったんだ!」「みんなのために世界を戻す!そうすれば・・・ミサトさんだって!」などと忠告を聞かない。気持ちはわかるけどあなたはもう何もしなくていいよ。カヲルくんももっと本気で止めて!

・カヲルは「第1の使徒の僕が13使徒におとされるとは」と言う。
・ゲンドウは「ゼーレ」に「人類を代表し、感謝申し上げます」「定款された人類補完計画と『神殺し』をやってのけます」などと言う。

・シンジは思い切り槍を引き抜く。
・この槍はネルフ(ゲンドウ)の罠だったらしく、『フォースインパクト』が起きそうになる(カヲル曰く、「狭間の儀式」らしい)。
・シンジが同じコクピットにいるカヲルに手を伸ばそうとすると、そこにはATフィールドっぽいものがあって近づけない。

・アスカVSレイアスカの乗った弐号機が凶悪なツラになったり、相手を食いちぎったりする。
・アスカは「ごめん、弐号機」と言いながら、自身は脱出し弐号機を自爆させる。

・シンジは「僕のせいなのか・・・」と言い、カヲルは「僕が13の使徒で、トリガーだ」と返す。
・シンジは「どうしよう、僕、どうしたらいいの?」とカヲルに聞く
・シンジに対し、カヲルは「たとえ死んでも、意思や願いは残る」「これは君の望む幸せじゃなかった」「ガフの扉は閉じた」とか言う
・このセリフに対するシンジの返答は「カヲル君が何を言っているのか全然わかんないよ!」でめっちゃ同意してしまう。

・首輪が爆発してカヲルの首が吹っ飛ぶ。ええええええええ!一瞬とは言え、普通に吹き飛ぶシーンが見えているんですけど・・・

・どうやらカヲルが死んだことにより、『フォースインパクト』は止まったらしい。
・マリは「わんこくん(シンジ)がゼーレの保険さ」とか言ってる。
・ゲンドウは冬月コウゾウに「ひとまずこれでいい、フォースインパクトは止まったが、ゼーレの使徒は始末できた」とか言ってる。

・アスカは地に落ちていた「エントリープラグ」を開ける。そこにはうなだれているシンジがいた。シンジくんがショックのあまり廃人同然に・・・
・アスカは「自分のことばっかり!だまっていればすむと思ってんの?」と言う。
・しかもシンジを足蹴にする。
・一度は見捨てようとするアスカだったが、やはり戻ってきてシンジを無理やり立たせる。
・そこにレイもやってくる。アスカは「綾波タイプの初期ロットか」と言う。
・アスカは「『リリン』が近づけるところまで移動するわよ」と言う。
・3人は、歩き始める・・・・




いろいろと疑問点をみていきましょう。

~冒頭の戦闘はどういう意味?~

アスカはエヴァ弐号機に乗り戦闘中。敵は「アンチATフィールド」とか出しており、マリも援護射撃をしていました。
これは「奪還作戦」というセリフにもあるように、マリとアスカがシンジ(黒い十字架上の箱)を取り戻すために戦っていたのでしょう。

しかし、それでも疑問が多いです。

・なぜシンジの入った箱が地球外に排出されていたのか
ニア・サードインパクト(後述)が起こったため、初号機がシンジを内包したまま衛星軌道へ封印されたそうです。

・アスカが「バカシンジ!」と言ったあとの光の正体は?
初号機がビームを出したのでしょうか。

・アスカが見た「謎の目」の正体は?
おそらくこれはシンジの目でしょう。人間の目だとは思えなかったのですが・・・
初号機の目では?とご指摘をいただきました。

シンジは人ならざるものになりかけているのではないでしょうか。
それはエヴァのパイロットになったがゆえの、14年眠っていたがゆえの代償か・・・もしくは、父であるゲンドウがそうさせているのかもしれません。

終盤にマリが「シンジがゼーレの保険」と言っているのも、シンジには何か隠された事実(切り札となるほどの力)が存在していることを裏付けています。

そして ヤフー ストア「ファンタジー工房」のコスプレウィッグや衣装もとても良いです。
店舗URL :http://store.shopping.yah漢字を削除oo.co.jp/kouboufantasy/index.html
皆、いこう!!!

投稿 : 2012/12/14
閲覧 : 179
サンキュー:

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