plum さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
マフラーと、なぜならば!
風にたなびくマフラー。それは仮面ライダーやサイボーグ009に象徴される、ヒーローの証だ。マフラーはスピード感や風を表現し、空間に広がりを持たせる。しかし、いつからかヒーローからマフラーはなくなってしまった。最近、鉄拳とのMVで注目されている馬場俊英の歌に、こんな歌詞がある。
変身ベルトもスーパーバイクも マフラーもマントももうない
一番汗を流して 一番疲れてしまって 一番かっこわるい 僕たちのヒーロー
そう。マフラーはヒーローアイテムなのだ。
主役のひとりであるノノは、伝説の女の子ノノリリ(前作のノリコ)に憧れていた。1話で、もうひとりの主人公ラルクから首にかけられたマフラーを、彼女は最後の最後まで首に巻いている。地球を守るヒーローになりたかったのであろうノノ。マフラーはその象徴なのだ!
さて、人気作トップをねらえ!の続編として、賛否両論あるらしい本作ですが、私は大好きな作品です。個人的に”前作の続き”は期待していませんでしたし、そのあたりはリアルタイムで追いかけていた方とは、捉え方が少し違うかもしれませんね。制作者も完全な続編ではない、という意味をこめて、”トップをねらえ!2”ではなく”トップをねらえ2!”にしたと言っていますし、そういう作品だと割り切ってみるのが良いと思います。出だしこそノノ(CV:福井裕佳里)の舌っ足らずな話し方に不安を覚えますが、その声は次第にノノのキャラにしっくりしてきました。なにより、”なぜならば!”が耳に心地よく残ってしまいます。ノノの真っ直ぐな思い、ラルク(CV:坂本真綾)の人間臭い思いに引き込まれましたし、またたった6話の作品において、チコ(CV:沢城みゆき)の暖かい話に1話使ったのも良かったですね。
ストーリーはといえば、前作同様にスローテンポで始まり、4話から一気に加速します。本作の展開は予想を裏切るものでありつつ、その盛り上がりは期待どおりのものでした。戦闘シーンの動きが、ヒーローしてるんですよ。特に庵野氏がコンテを担当している4話において、それは顕著に現れています。そしてクライマックスは、ちょっと涙してしまうかもしれませんね。
音楽は前作と同じく田中公平。最高です。盛り上がるシーン(デンドンデンドン…)だけに留まらず、シーンに合った音楽は、聞き流すことはできません。作品を見終わったとき、大抵は音楽のことって覚えていないのですが、本作は視聴中に音楽がすごく印象に残りました。
人気作の続編という高いハードルに挑戦したスタッフには、素直に拍手を送りたいものです。