mikura さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「歴史にifはない」というけれども。
海上自衛隊のイージス艦「みらい」が演習中、1942年6月4日の太平洋上にタイムスリップ。
大和、長門とニアミスし、翌日のミッドウェー海戦で連合艦隊空母が壊滅するのを目の当たりにする。
今後の歴史を知っており、この時代では突出した武力と情報収集力を備える「みらい」とその乗員は、専守防衛という自衛隊の立場でどのように行動してくのか。
歴史に「もしも」はないという。でもこの作品は緻密な設定と軍事的考察で、そのもしもを非常にリアルに見せてくれます。
戦闘場面について言えば、みらいの艦載機(モデルはオスプレイ)と、日本海軍二式水上戦闘機2機とのドッグファイト。
戦艦大和の46センチ砲による砲撃を「みらい」で迎撃できるのか。
アメリカ空母ワスプと艦載機40機と「みらい」の戦闘。などなど。
もちろん「みらい」の方から先制攻撃するなら勝負にならないわけですけど、人命救助、専守防衛を使命とする「みらい」にはそれはできないわけです。
またこの時代の軍人の技量は高く、旧式兵器とはいえ破壊力は十分あり、決して侮れない勝負になる。
むしろアメリカ海軍や日本軍の方に肩入れして戦闘場面は見てしまいました。
CGで描かれたされた艦艇や戦闘機は細かい描画でよく動き、まさに手に汗握る見ごたえのあるものになっています。
戦略面では、「みらい」の艦長梅津はまずアメリカ海兵隊によるガダルカナル攻略を阻止しようとします。
言うまでもなくガダルカナル戦は太平洋戦争における分水嶺で、もしここに日本軍が建設中だった飛行場を守りきり、十分な航空戦力を配備することができれば、ラバウル要塞と合わせて南太平洋の制空権を保持することができ、その後の展開は大きく変わったはずです。
とても興味をそそられる「もしも」です。
ではどうやって阻止するのか。アメリカ海兵隊に先制攻撃をすればことは簡単ですがそれはできない。ここでも歴史を知っているものだけが取れる、しかも「みらい」の搭載兵器の性能を良く活かした最上の手を打つ。マーベラス!
1話見だしたら止まらない、続きが気になるアニメ。
アニメ版は途中で終わってしまっているのが残念です。原作は完結しているそうなのでぜひ読んでみようと思ってます。