Tuna560 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
『serial experiments lain』作品紹介と総評
『存在は認識=意識の接続によって定義され、人はみな繋がれている。記憶とはただの記録にすぎない。』という世界観のもとで繰り広げられる、14歳の少女・玲音(lain) をめぐる物語。
(あらすじ)
コミュニケーション用コンピュータネットワーク端末「NAVI」(ナビ)が普及した現代、中学生の岩倉玲音は、死んだはずの四方田千砂からのメールを受け取る。その日以来、玲音は見えないはずのものを見るようになる。四方田千砂のメールの言葉に興味を持ち、大型の「NAVI」を手に入れるが、それ以来更に奇怪な事件に巻き込まれていく。
物理世界(リアルワールド)と電脳世界(ワイヤード)、二つの世界・二人の玲音(lain)が混濁し錯綜する果てにあるものは?-人は誰しも“繋がれて”いる-・-私は遍在する-(wikipedia参照)
今まで観て来たアニメ作品の中でも、最高クラスの難解さを持っています。設定やストーリーもそうですが、一番厄介なのは「玲音」という存在でしょう。
昨今ではネット環境が進化し、誰でも「もう一人の自分」をネットの中で構築出来るが、当時のネット環境でここまでの設定やストーリーを作れるのは、とても信じられないですね…。時代を一歩どころか、二歩、三歩と先を行っている。
高度に発展したネットワーク社会 - 現実と区別のつかない仮想空間 といったよくある物語と逆に、本作は「仮想世界(ワイヤード)と区別のつかない曖昧な現実(リアルワールド)」に注目しています。このため、通常の感覚でリアルワールドを解釈しようとすると、頭が混同してしまいます。
個人的にはこの難解なストーリーも楽しめましたが、理解するまでにいろいろと悩まさせられました。癖が強すぎるので、合わない人にはとことん相性の悪い作品だとも言えます。
”作品が人を選ぶ”という事象も、この作品と通づるものが感じられて、赴き深いですね。
(2/1:追記)