STONE さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
精神世界バトル?
リアルタイム放映時、放映前はかなり話題になっていたのに、いざ放映が始まるとあまり
話題に上らなくなった印象があります。賞賛も批判もないみたいな。
おそらくキャラクターデザインから異世界バトル的なものを期待していたら、あまりにも
違った話だったため、かなり困惑した人が多かったのではないかと。
個人的には作品テーマや登場キャラは結構好きなんだけど、カタルシスは得にくいし、
捕らえどころがない印象はある。
異世界におけるCGのバトルシーンはかなり見応えがあるが、感情を持たないキャラが現実
世界の少女の心の傷の肩代わりとして延々と戦い続けるものであるため、勝敗結果などを
始めとするバトルの展開自体はどうでもいいものに思えてしまい、結局は飽きてきた。
この異世界、当初は少女達の精神世界のメタファーだと思っていたが、回が進むにつれ、
作品世界内では現実に存在するものである展開は、それなりに面白かった。
心の傷が無かったことにできるなら、楽は楽であるけれど、その傷にまつわる事象
そのものが無かったことになってしまうのは、主役の黒衣 マトが思うように、何かが違う。
あまりにも悲惨な人生のために、完全に異世界に引きこもってしまった神足 ユウなどは
同情の念が生じるが、それでも生きるということは、辛くても痛みも含めた全てと向き合って
いくことだと思う。
この作品、異世界描写があるため、ファンタジー色、もしくはSF色が感じられるが、
結局は人が子供から大人に成長するにつれ、心の痛みを自分で処理できるようになる葛藤を
描いたものみたい。
よく子供向けの体のしくみを説明するテレビや本で、体の器官を擬人化するようなものが
ある。例えば胃の中に作業員みたいな人がいて、摂取した食べ物を分解作業していくみたいな
やつ。この作品の異世界って、それの精神版みたいな印象。