Tuna560 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
『ギルティクラウン』作品紹介と総評
アニプレックスとプロダクションI.Gの合作によるオリジナルアニメ作品。
(あらすじ)
西暦2029年。突如発生した未知のウィルス、通称〈アポカリプスウィルス〉の蔓延によって引き起こされた大事件「ロスト・クリスマス」から10年後の日本が物語の舞台である。荒廃し、無政府状態となった日本はアメリカ軍を中心とする超国家組織GHQの統治下に置かれていた。
桜満集は世間やクラスメイトに対してどこか冷めた視線を向ける男子高校生。周囲との微妙な距離を保ちつつ平穏な日々を過ごしていた彼はある日、お気に入りの場所である廃校舎で憧れの歌手・楪いのりに出会う。傷を負った彼女はレジスタンス組織「葬儀社」のメンバーというもう一つの顔も持っていた。集はGHQから最高機密「ヴォイドゲノム」を盗み出した楪いのり、葬儀社のリーダー恙神涯らと関わる中で「ヴォイドゲノム」に触れ〈王の能力〉を宿してしまう。(wikipedia参照)
王の能力とは、人の体内にある物質「ヴォイド」を取り出し、それを武器とすることが出来る。ヴォイドは、対象の恐怖やコンプレックスなどが反映され、個人個人で能力や形は様々となっている。
主人公である集は、この能力を得ること、いのりという少女と出会うことにより、「自分に出来ること」を模索する様になる。所謂「ボーイ・ミーツ・ガール」的な要素も含まれています。
作画、音楽に関しては申し分ない出来となっており、設定や世界観もかつての「セカイ系」を彷彿とさせてくれる物となっている。
しかし、ストーリー面で多分に損をしている作品であると感じました。
ストーリーの前半と後半で、全く違う作品を観ているかの様に思ってしまいました。よく言えば「劇的展開」ですが、悪く言えば「一貫性に欠ける」ストーリーです。私の感想としては、後者になります。
しかし、前半は『コード・ギアス』的展開、後半は『漂流教室』的展開となっており、色んなアニメ的要素がつめ込められていることも伺えます。この手の作品を始めてみる方には、ちょうどいい作品であるとも言えます。(この手の作品が好きな方には、正直物足りないと感じるかもしれません…。)
この「物足りない」と感じる理由としては上記の点に加え、ストーリー展開の単調さにあると思います。登場人物の掘り下げが足りない上に、勢力構成がコロコロと変わってしまうため、物語が淡々と進行し、ストーリーに深みを与えることが出来なかったと考えます。
ストーリー以外の点においては出来が素晴らしいので、色んな意味で「一歩足りない」作品だと感じました。