てけ さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
10分で語る「記憶」
2010年、京都精華大学マンガ学部アニメーション学科の作品。
これはすごい!
アニメや芸術に疎くてもわかります。
……鳥肌が立ちっぱなしだったからです。
体は嘘をつきませんよ。
どのシーンで止めても、絵画のように見える美しい映像。
まるでそこに自分自身がいるように錯覚する音響、そしてカメラワーク。
冷たく、もの悲しい雰囲気の中でも、どこか暖かさや希望を感じるお話。
セリフのない10分弱のアニメーションにもかかわらず、実際にそこに立って、誰かの書いた詩でもを読んでいるような気分になります。
雨が降り止まず、どんどん水がたまっていく街「rain town」。
その街で、ひとかけらの「何か」を持ち帰った少女。
{netabare}
それが、冒頭の部屋の中で使われている。
それでころか、街にあったポスターや看板など、ほとんど全てのものが部屋の中に飾られています。
{/netabare}
数々の記憶に埋もれていくガラクタのような思い出。
そんなものであっても、今でも心のどこかで根付いている。
私はそう解釈しました。
アニメというより芸術作品、といったほうがしっくりきますね。