Tuna560 さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
『最終兵器彼女』作品紹介と総評
高橋しんの同名漫画のアニメ化作品。
「セカイ系」と呼ばれるジャンルの代表作です。
(あらすじ)
北海道のある街で暮らすシュウジとちせ。ちせは以前から好意を持っていたシュウジに告白、そのぎこちない交際は交換日記から始まり、二人は静かに愛を深めていく。
しかし、ある日、謎の「敵」に街が空襲される。戦火から逃げるシュウジが見たのは、腕を巨大な武器に変え、背から鋼鉄の羽根を生やし「最終兵器」と化して敵と戦うちせの姿であった。(wikipedia参照)
戦争物でありながら、ストーリーの根本は恋愛物です。しかし、この恋愛というのを、「生きるための理由」として描かれているのが本作品の特徴だと言えます。
戦争が激化していくにつれ、ちせは力が暴走していき、肉体も精神も人間とは程遠いものとなっていく。しかし、シュウジという存在が自分の「人間的感情」を引き止めてくれる。この点は、『攻殻機動隊』などにも描かれている、「機械に宿る魂や記憶」の概念も垣間みれる。
そして、はっきり申し上げますが、これは決して「楽しい」作品ではありません。「考えるアニメ」という表現が一番近いと思います。娯楽作品を求めている方には、全くお勧め出来ません。
戦争の悲惨さ、命の儚さ、生きている意味…考えさせられることは人それだと思います。実際、いろいろと考えさせられました。そこがこの作品の最大の魅力だと感じます。
最近、この手の作品が減ってしまったことを、残念に思います。