みかみ(みみかき) さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
雰囲気押しのプロモーション・ムービーをづっと観ていたと思えば◎
おすすめするか、しないか、で言うとあんまりオススメしないのですが、
まあ、
なんか、ふわっとしたキレイな厨二テイストなアニメとか力を抜いて、見てたいわ~~
…というようなときには、本作はたいへんすばらしいものなのではなかろうか、と思います。
全体的に、絵が明るくキレイで、キャラにもイヤミがなく、落ち着いて観ていられます。近未来の日常を表現した作品としても、随所に細かな工夫がみられて、個人的にはそこの描写が観ていて楽しい。
特におもしろかったのは、掃除ロボットの音の入れ方。ひっかかったときに、「頭が高い!」などといった音を入れるのは、ごく素朴に製品としてアリだな、という感触がした。結局、この手の技術の実際の導入においては、この手の「利用者が、ロボットAIのあたまのわるさをなんとなく許してしまう」という文脈の作り方こそがきわめて重要なわけで、こういうタイプの表現がちょいちょいあるのが嬉しい。
戦闘シーンの描き方も、観ていておもしろかったですよ。キャラクターの等身はリアルだけれども、剣がにゅわーって伸びたり、風景がにょわーって変わったりしながら、ぐるんぐるん動くので、あら、まあいい雰囲気ムービーだわぁ、という感じ。
ストーリーは、正直、あんまり、ごりっと期待せずに、なんかキレイっぽいわー、みたいな感じでよいか、と思います。
ストーリーに期待しないとはいっても、紀里谷和明さんの悪名高い『キャシャーン』ほどまでにはイッちゃった出来ではないので、まあ、ふんわり見られるんじゃないかな。
ARを前提とした未来の風景を描くというのは、電脳コイル以後はいろいろと普通に描かれるようになってきて、個人的には嬉しい限りです。
あとED曲の「冷たい部屋、一人」がちょっと良かったのと、えらく絵がキレイ。
まあ、特にオススメしたい作品じゃないけど、ダラダラっと観ていて、けっこう、最後まで一応、着地できてしまったし、良いものなんじゃないでしょうか。