「ヨルムンガンド(TVアニメ動画)」

総合得点
88.9
感想・評価
2890
棚に入れた
15505
ランキング
97
★★★★☆ 4.0 (2890)
物語
4.1
作画
3.9
声優
3.9
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

優馬 さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

僕は、武器商人と旅をした。 1期

<はじめに>

戦争により肉親を失った少年ヨナ、武器を憎むが武器がなくては何も出来ない矛盾があった。
やがて彼は武器商人という存在を知り、武器商人ココの私兵として雇われる。
いろいろな経験を通し、世界中を旅しながら成長していく。
ココは武器輸送船の中で生まれ育ち自分の国を持たず、物心ついたときから商人である。
彼女は戦争が嫌いだった、彼女の中に何かが芽生えて羽ばたこうとしている。

<さて、作品名ヨルムンガンドの意味はなんだろう>

ヨルムンガンドとは、北欧神話に登場する毒蛇の怪物。
ロキが巨人アングルボザとの間にもうけた第二子である。
ヨルムンガンドら子供達がいずれ神々の脅威となることを予見した主神オーディンが、ヨトゥンヘイムで育てられていたヨルムンガンドを連れてこさせ、海に捨てた。
ヨルムンガンドは海の底に横たわったまま、ミズガルズ(人の世界)を取り巻き、更に自分の尾をくわえるほど巨大な姿に成長した。

「五つの陸を食らい尽くし、三つの海を飲み干しても、空だけはどうすることもできない。翼も手も足もないこの身では。我は世界蛇。我が名はヨルムンガンド。」

いろいろな逸話といっても神話だが・・がある

ラグナロクが到来するとき、ヨルムンガンドが海から陸に上がり、その際に大量の海水が陸を洗う。(このラグナロクとは終末を意味する。)

ヨルムンガンドの最後、トールの戦い、トールはミョルニルを3度投げつけ、ヨルムンガンドをうち倒す事に成功するが、最期に吹きかけられた毒のために命を落とし、決着は相打ちという形で終わることになる。

トールはオーディンと同格以上の神とされている。武器として扱うミョルニルとは鎚(ハンマー)で最近の映画などに出てきたマイティソーはこのトールが原型だといわれる。

<旧約聖書から 預言者ヨナについて>

本作品の中心実物であるヨナと同じ名を持つ事から関連性を見る。

旧約聖書には、ヨナ書というものがある。
ヨナ書の主人公はアミタイの子、預言者ヨナ(イオナ)である。
ヨナは、神から、イスラエルの敵国であるアッシリアの首都ニネヴェに行って「(ニネヴェの人々が犯す悪のために)40日後に滅ぼされる」という予言を伝えるよう命令される。
しかし、ヨナは敵国アッシリアに行くのが嫌で、船に乗って反対の方向のタルシシュに逃げ出す。
神の怒りに触れて海が荒れ船が遭難しそうになることで、ヨナは自分のせいで神の怒りを受けたから自分を海に放り投げろという。
ヨナを海に投げると海の中から大きな魚が現れてヨナを飲み込む、この魚は神が使わしたもので一説には鯨だとされる。
そう、これがピノキオの原型である。
ヨナは、3日後に許しを得て体内から陸へ吐き出される。

ヨナは、愛国心があったのでその敵を誅するのが神への願いであったが、神は敵国の人もすべてが自分の子供のようにいとおしく思っていた。だから反省をする時間を取らせようとしたのだがヨナは、それが許せない。
神は心から反省したらその慈悲で悪人でも助けてしまう。
それでは、やられてしまった同胞や家族の無念がはらせない。
神に対して罰を与えるといいながらそれを覆すとはどういうことなのかと詰め寄るが、神は自分の大切なものを惜しく思うのはお前も私も同じではないかと諭す。

ちなみにヨナは、別名イオナといわれ聖歌で歌われたりするのでそっちを知っている人もいるかもしれない。

<私兵による戦争と十勇士>

この作品の醍醐味のひとつは私兵による戦闘である。
ココを含めて10人、これがとにかく強い、武器類の描写のすごさ兵器の説明の細かさなども特質だが、ほぼ肉弾戦に等しい戦いでも一騎当千の強さを発揮する。

ヨナが「みんなは10人はひとりもかけてはならない」というセリフがあるがこの10人という数字は物語中に何度も出てくる。

<ということで十勇士の話>

十勇士といえば真田十勇士なのだが私兵の現代戦とは大きくかけ離れそうなのでその特徴だけ見ていく
現代戦に置き換えてみていくとわかるかもしれない

望月六郎 爆薬や火術に長け、地雷や大筒を製造した。
筧十蔵  鉄砲の名手。狙撃をおこなった。
由利鎌之助 武術の達人 鎖鎌と槍が得意 気が荒い
海野六郎 情報習得、状況把握、参謀的役割をする
穴山小助 誠実な性格で与えられた仕事はきちんとこなす
根津甚八 勇猛果敢、賊の首領
三好清海 大男で陽気で豪快 最年長者 武士として長い
三好伊三 怪力の持ち主 兄に劣らない
霧隠才蔵 伊賀流の忍者 物静かで慎重
猿飛佐助 甲賀流の忍者 陽気で明朗
真田幸村 戦略の駆け引き、度胸など稀代一の武将といわれた

なんとはなくキャラ立てがかぶっている面々が見えてくる

<それでは私兵さん紹介>

ワイリ 元米軍所属 火薬爆弾に精通する爆破のプロ
ルツ  警察出身、元対テロ部隊所属 スナイバー
バルメ 凄腕のナイフ使い 近接戦闘力が高い
トージョ 情報処理担当 元自衛隊秘密部隊SR班出身
マオ  砲撃部隊出身 妻子持ち 実直な性格
アール イタリア陸軍情報担当だが・・CIA潜入捜査官?
レーム 古参 元特殊部隊 リーダー的存在
ウゴ  巨漢のドライバー 車両運転担当
ヨナ  少年兵 武器の扱いに精通している
南   ロボット科学者 天才 自由な性格
ココ  若き女性でありながら世界的武器商人 その手腕は最高 戦いの駆け引きもレベルが高い

<作品紹介>1期 全12話

1話「ガンメタル・キャリコロード」
2話「PULSAR」
3話「ムジカ・エクス・マキーナ phase.1」
4話「ムジカ・エクス・マキーナ phase.2」
5話「Vein」
6話「African Golden Butterflies phase.1」
7話「African Golden Butterflies phase.2」
8話「モンド・グロッソ」
9話「Dragon Shooter phase.1」
10話「Dragon Shooter phase.2」
11話「滅びの丘 phase.1」
12話(最終回)「滅びの丘 phase.2」

オープニングテーマ「Borderland」川田まみ

声優
ココ:伊藤静
ヨナ:田村睦心
レーム:石塚運昇
バルメ:大原さやか
ワイリ:乃村健次
アール:小西克幸
マオ:四宮豪
ウゴ:勝沼紀義
ルツ:羽多野渉
トージョ:箭内仁

簡単なストーリー

世界の敵でもあり、味方でもあるという矛盾をはらむ職業・武器商人――。
世界的な海運王を父に持ち、HCLIヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門に所属し、世界の紛争地帯で“世界平和のために武器を売る”ココ・ヘクマティアルは、両親を奪った“武器”を憎みながらも銃を持って戦場でしか生きられない寡黙な元少年兵ヨナを自らの私兵部隊に引き入れる。ココの私兵には、経験豊富な古参の傭兵レームや圧倒的な戦闘力を誇る女兵士バルメなど個性豊かなメンバーが揃っていた。新しい仲間ヨナを加えたココと部隊のメンバーは、タフな交渉や激しい戦闘を切り抜けながら、世界各地で“ビジネス”を展開していく…。

<作品を見て> あとがき

とにかくココの狡猾さが光る どこまで考えてるんだろうか
世界平和という言葉はどこから?衛星は何を意味するのか・・・これから徐々に出てくるのだろう
そのためには2期を見なければならない

この1期ではメンバーの紹介が主でその背景なども出てくる
魅力ある仲間たちの過去であったり、それぞれのとくいな業や、非戦当時の人間性がでている
一度戦闘になると容赦ないのだが、普段はとても人間くさい。

敵として現れるキャラにも魅力があるため1・2話しか出てこなくても強力な個性のせいで覚えていたりする。
陰謀が渦巻く中でヨナ君が大人に成長していく様がかわいく思う。

ちなみに この作品を見るにあたり 中東の戦闘地域での記事をいくつか見ていたところ少年兵が実際に存在することがわかった。
あまりにも残酷な話だが
小学生程度の年齢だと武器は持たせてもらえず旗を持って最前線で真っ先に特攻をする役回りだという話だった。

本作に子供を地雷地域へ連れて行ってあるかせる・・・という話がかぶるのだが現実的にもそれが横行していた。

戦争で生き残った昔少年兵だった人の話
リアルにヨナは存在した。

投稿 : 2012/12/20
閲覧 : 242
サンキュー:

19

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