plum さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
エヴァだから許される自分の作品のリメイク
世間がQで賑わっているこの頃、新劇場版の序・破を初めて視聴。なにせTV版は放送当時から興味が無く、十数年経ってから見た結果、私にとってエヴァンゲリオンは最悪のアニメでした。
しかしこの新劇場版は、意外と印象が良かったし、エンターテイメント作品として楽しむことができた。子供が大人に不条理に翻弄されるのは相変わらずだが、人間臭い描写や、僅かでも希望が見受けられる。ここがTV版で最も嫌いなところだったから。これからも、シンジが自分の意思で行動してくれるといいのだが。とはいえこれまでのエヴァを振り返ると、ここで期待しちゃいけないんだろうね。恐らくあのよく分からない世界の設定は、意図的に描かれないであろうし、きっとそれを描かないのがエヴァなんだろうと思う。だから結末には全く期待はしない。
また作画は極めて高品質であるが、CGを多用していることに懸念を感じる。CGは技術の進歩が早いため、劣化するのも早い。20年以上前のAKIRAは、今見てもその圧倒的な作画に驚かされる。CGでは決してそうはならないだろう。攻殻機動隊S.A.C.(1期)のOPが、今では目も当てられない映像になっているように。
最後に、作品の出来は別にして、このリビルド(リメイク)にというのはどうなんだろう。なぜリメイクをしたのだろう。アニメでのリメイクといえば最近では宇宙戦艦ヤマトがあるものの、ほとんどないと言っていい。その僅かなリメイク作品も、オリジナルとは別のスタッフが作るのが基本。自分の過去作品をリメイクするということは、どうもご法度のように思えてしまう。この庵野監督と言う人は、一生エヴァで食っていくのだろうか。連載を終わらせることができない、今時の漫画のようだ。「実はループ世界なんです」なんて設定を後付けして、終わりの無いエヴァの世界を作ることが目的なのかなぁ。