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退会済のユーザー さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
野郎版CLANNAD
おそるおそる視聴しましたが、意外と良かったです。
京アニ版のクラナドは視聴した感想は最悪に近いものでしたが、
劇場版ならギリギリ受け容れられました。
ヒロイン一本に絞っているのであまりギャルゲ要素も感じさせず、ファンタジーな設定を廃したことによって、ある程度現実感のあるドラマとなっていた。キャラの取捨選択も現実感を壊さないように配慮されている。自宅出産であったり病気の子供を連れ出したり(これが一番許せなかった)そういった疑問符が付く展開・設定も見事に削られており、京アニ版で感じた違和感はかなり緩和されていた。
影の主役は「父親」だった。
息子に負い目を感じながらも、未熟な息子に対する思いが大変よく伝わってきた。本作では服役していたという設定も削られ、直接的に父親の言動や行動によって息子に対する思いが表現されており、父子関係の描写が微妙に変わっている。これによって、「親子関係に悩む普通の父親」が影ながらも積極的にダメ息子のため動く姿がより印象づけられた。そこは京アニ版との違いを強く意識させられたところだった。
父親に対する思い、円満な古河家に見る父親像、その主人公の複雑な心境なども短い尺でありながらちゃんと表現されていた。主人公が父親として一歩踏み出すまでの物語としてはなかなか良い作品だったと思う。どうせなら父子の物語をもっと抽出すべきだと思うが、これが限界なのかも知れない。
また「家族」の解釈も分かりやすく描かれていた。
クラナドで描かれる主人公は未熟であり、周りの助けがなければ生きていけない人間だった。
京アニ版もそうだったとは思うが、本作の主人公はもっと酷かったように思う。ただその分「家族」をより端的に描いていた。周りの多くのサポートつまりは「家族」が如何に大切か、それが明示されてラストを迎える。現実的な解答・希望の持てる締めくくりで良かったと思う。
あまり評価がよろしくないようですが、私は劇場版を見て胸にストンと落ちるものがありました。
前半は演出過剰・散漫で「面白い」とは思いませんでしたが、後半の演劇シーンから終盤にかけては良かったかなと。それに上記のように京アニ版と色々比較してみると、その改変の意図が明確に伝わってきたし、より説得力もあったのではないかなと思います。
でもやはり学生時代の回想をもう少し削って、後半に時間を割いていればね・・・
90分で収めきったことは凄い事ではあるのですが・・・・ED途中で曲変えるなよ・・・
あと演出ですか。ちょっと暴れすぎな感じもしましたけど、劇場版Airより随分良かったと思います。
父親の他には春原・芳野、基本的男共が良かったですね。ギャルゲアニメならぬ野郎アニメでした。