「PSYCHO-PASS サイコパス(TVアニメ動画)」

総合得点
90.2
感想・評価
5599
棚に入れた
26468
ランキング
60
★★★★★ 4.1 (5599)
物語
4.3
作画
4.0
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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ネタバレ

みかみ(みみかき) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

これをやられてもなぁ…

 うぅううん……。
 ユートピア世界における幸福の問題っつーのはわかるし、啓蒙的なお話というもの自体は歓迎する視聴者ではある…のですが…が、うーん、悩ましい出来。
 申し訳ないが、想像力の中身がこれではちょっと……、中途半端にリアルな設定をつくろうとしていることもあり、
 すげー設定厨みたいなことばっかり気になってしまって、どうもワッホイな気分で見られなかったです…。

 でも、最後のほうの盛り上げはよかったです。

 未来構想として、最終的に、統治システムの上層にコンピューティングが活用されていくであろう未来というのは、実際問題として、超アリアリだと思います。
 ただ、シビュラ・システムのような形は、まーまずありえなず…何よりもシビュラ・システムは参入の自由・退出の自由がないのがまあ、単純にひどいですね…!
 シビュラ・システムは電源を落とす必要はなくて、シビュラ・システムを基幹システムの地位から、落とせばいいんだよね。

 ユートピアの未来社会を描こうとしているのにも関わらず、想像力とシナリオがディストピア未来SFの先行するものを露骨にひきずりすぎちゃってますよねぇ、というのがとても残念。

 志はわからなくはないんだけれども、ディストピアSFをもっと徹底的に塗り替えられるような形がほしかった。もちろん、今までにないユートピアSF設定をきちんとやるって難しいとは思うのだけれどもね。

 いやー、やりたいことはわからんでもないですが…。
 他のSFだと、ツッコミどころ多くても、あんまり、ツッコミ入れずにみられたりするんですが、この作品は、実際に存在する「サイコパス」という概念を扱っているので、下手に扱うと現実の「サイコパス」相当、あるいは「サイコパス」にやや近い人が、偏見に近い被害をうける可能性もあるので、あんまり雑な設定だと、かなり困った気分になってしまうのですよ。
 せめて、サイコパスっていう現実に存在する概念を扱わないでいてくれたら、もうちょっとヌルい基準適用で、見られたんだけども…。
 そういうわけで、ちょっと厳しかった…


*22話感想
{netabare}
同じく演出のできがすばらしい。
ギノザさん、イケメン…
{/netabare}

*21話感想
{netabare}
演出よかったです。

{/netabare}

*20話感想
{netabare}
あー、やっぱり常森さんが、シビュラに選ばれる流れか。
ってか、シビュラに選ばれやすい特殊的知性って、別に犯罪者が多くなるということはないとは思うけど、まあ犯罪者もそこそこに含まれるかもね。

まあ、ただ、ユートピア的、動物的幸福が達成された…と多くの人が信じている世界における「幸福」の再定義という問題設定は、もちろんよくわかりますよ。
{/netabare}


*19話感想
{netabare}
・たいへん失礼ながら教養ラインナップを主張しているようでいながら、教養ラインナップが一時代前なので、ちょっと、観ていて複雑な気持ちになる…。
 一時代前であるということは何を意味するかというと、情報社会に対応した思想というのが十分にフォローできていないということだ。まあ、でも、90年代ぐらいまでに世間一般に出回っている手に取りやすい思想系の本とかを読むとだいたいこんな感じになるだろうし、まあ、勉強熱心だとは思うけれども…。なんとも言えない気分だわ…
{/netabare}

*18話感想
{netabare}
なるほど。まあ、なんかラストまでの道筋が見えてきた感じ。ここから先はただたんにラストまで走るだけっぽい。
{/netabare}

*17話感想

{netabare}
おお、そういう展開か…

人間の脳と、コンピュータの脳の特性が違うのはその通りで、不完全なコンピューティングを補うために人間の脳を利用するというのは理解可能。
ただ、人間の脳を並列処理…ってのはどうやるんだろうね…。そもそも、人間の脳って並列化してつなぐのに適しているのだろうか。自我というシステムが保たれたまま個体が一個ずつある程度完結性をもっているとすると、むずかしいんじゃないのかなぁ。

まあ、でも、ここまでぶっ飛んでくれると、とても現実には不可能なので、ツッコミをする気が失せて逆に良かったです。

{/netabare}

*16話感想

{netabare}
それにしても、マキシマ強いよね…。
{/netabare}

*15話感想

{netabare}
あー、ようやく、劇的な展開に…。
単に、暴力描写ドーンって感じがでてくるという表現の強さだけで一応見られる感じ。

・あー、そういや、将来に期待がもてない人たちが一定数発生しちゃう設定だったなぁ。まあ、これはすでに書いたけど、社会システムとして致命的にクソだよね。「希望」をもって生きることができない社会とか、ほとんどの社会科学者&人文学者が反対しますよ。とりわけ政治哲学者は、強力な論陣を張るでしょう。

・ギブスンとかディックの話とかなくてよかったんじゃね。一部にしかわからんぜよ。

・なぜか電子書籍disとか出てきてワロタ。「紙」の存在が、マルチ・モーダルな認知を支えるというのはそのとおりだけれども、マルチ・モーダルな認知が、学習され固着していくプロセスというのは、別にiPadとか、ARとかでもどんどんどんと技術的には可能になっていくと思うんだけどね…。


{/netabare}

*14話感想

設定厨コメントです。
{netabare}
・ネットに動画が流れてる…ということは、だめじゃん。画像解析&意味解析するレベルのシステムができていないっつーことだわな、それは。そうなると、自動検閲は無理…なわけで、まあ、今回のエピソードで描写されている通り、シビュラシステムを前提とした政治システムはきわめて脆弱なシステムといわざるを言えない感じですわなぁ。ってか、シビュラシステムを前提としたシステムがまず最初に成立できなんじゃね?

・やべえな。このシビュラシステム社会そのものが、ユートピアとして一時的に機能するプロセスそのものが想像できん…やー、やっぱ、この手の大掛かりな社会描写するのは、もっと、こう、宇宙人の話にしちゃうとか、もっと徹底したファンタジーにしてほしかったなぁ…繰り返しになるけど。



{/netabare}


*13話感想

{netabare}

えー、設定厨としてはまず…
{netabare}
*うーん、功利主義の話がちょろっと出てきたけれども、功利主義は現代社会の一つのロジックとしては重要なんだけれども、社会制度の構築において、功利主義的な論理は、ゲーム理論の時代に入ってきたことで、二者以上の相互作用のロジックが導入され、単なる極端な設計主義的な世界とはちょっと違って、市場の設計や、相互決定を重視する社会システム論的な世界観に変化しているのですよ。社会科学的な発想は。そこらへんを、虚淵さんにわかれ、というのは、さすがに辛いので、言わないですが…。

*シビュラが「信頼されていることが重要」という話が強調されるのはわかるのだけれども、そういったタイプの、欠陥を隠蔽することで、信頼を確保しようとするタイプの制度設計は、インターネットや、マスコミといった、政府に対する批判的機能をもちいる情報通信制度がない社会においてのみ可能な旧時代的制度設計の発想になってしまいます…。っつーか、インターネットが全面化した時点で、欠陥の隠蔽とかまあ、まず無理スよ。
 一応、可能性的には、画像処理&自然言語処理系のアルゴリズムがスーパー高度に発達して意味解析ができるようになると、コンピューターによる「自動検閲」が可能になるかもしれず、そうなった場合は、まあ、なんとかシビュラシステム機能するかもしれないけどね。

*シビュラが判定しないタイプの犯罪者っていうのは、まあ、いるでしょうね。ってか、脳は創発的で、認知はオープンエンドなので、前頭前野とか扁桃体とか、脳の中の性質だけで判定しようするシステムとかって、正直そこまで大した精度が出ないだろうしね…。(まあ、せいぜい補助装置ぐらいのもんっすよ)。ベタに考えると。
 うーん、ファンタジー。

・ものごとをよしとしているとか、ってのも、まあ、認知がネガティヴに働きにくいという意味では重要っちゃ重要ではある。
 ただ、それはストレスが一定範囲以下の場合の話。であって、周囲からみて明らかに異様なストレスがかかっていても「ニコニコ」できているようなタイプの人でも、超強力ストレスがかかった場合には、心身症がいきなりガクっと現れます。具体的に言うと、呼吸困難、不眠、摂食障害、PTSD(トラウマ)等がダイレクトに身体症状として出てきて、仕事できなくなるのが、普通です。
 それが現れない人というのは、ストレスをストレスとして認知する能力がないタイプの人(それこそがサイコパスだ…!)か、いつも人が死にまくるような環境で小さい頃から生きてきた人とか、そういう人に限られると思われます。
 ってか、常森監視官の、サイコパスの曇りにくさも一種の以上体質なんじゃね?たぶん、もとから、前頭前野の各種の神経物質受容体の数が大きかったり、扁桃体の一部が良い感じにちょっと小さめだったりするタイプなんじゃねーの?…と思った次第。
 まあ、この話に限ったことじゃないけど、多くのアニメが、PTSD舐めてるよね。常森監視官のようなことがあった場合、半年から1年ぐらいのスパンで、警察の現場からは離して、いちど事務処理とかのバックエンド業務にまわすのが普通でしょうね……まあ、それはさすがに、設定厨すぎるコメントだと我ながら思いますけれども…

{/netabare}


 ってか、父子設定とかあったのか……っ!!

 厨二系の雑な設定モノは見慣れてるので、雑な設定はオールスルーしながら、見られる自信があったのだけれども、虚淵さんシナリオなんだから、ちょっと期待してしまったのが悪いのだろうなぁ…。
 もっとオールスルーしながら観る能力を復活させよう…もう設定へのツッコミとかなるべく考えない方向で…

{/netabare}

*12話感想

{netabare}
うーん、てか、設定厨ですまんというか、ネタにマジレスすみません的な感じなんだけれども…


とりあえず、まずは設定厨的なツッコミをば。

{netabare}
官僚も政治家もシビュラシステムで選ぶのはやりすぎでしょ。
ケルゼンとか、シュンペーターとか、民主主義思想史的に言うとですね…、どんなに優れた人間のフィルタリングシステムができたとしても、「人々によって選ばせる」という過程を得ること、それ自体が、半ばトートロジー的に民主主義の強みだということがあるわけです。「私が選んだのだ」という自己決定の感覚を成立させることで、社会の安定化作用を機能させるということがあるわけです。
まあ、あと、カントの自由意志的な「あえて、選ぶ」的な意味合いにおいても、「自ら選ぶ」原則は、責任原理論としても重要になります。
なので、シビュラまかせにすることは難しいです。

あと、結局、フィルタリング・アルゴリズムを考える時、フィルタの変数をどう反映させるか、というアルゴリズムの設計と、変数の選択は、常に<主権者>によって自己決定が可能であるという信念が成立している社会である必要がある。それがないと、どんなに良いシステムだったとしても、「抑圧」という権力構造を作ってしまう。
なので、そういった政治システムを採用することははっきりと言って無理筋だろ…とわたしは思う…

っつーか、一言で言うと、安っぽい設定だと思えてしまうわけですが…。
{/netabare}

で、それはいいとして、ストーリーのほうは、新キャラと、大きな話がでてきてよくなってきましたね。




{/netabare}

*11話感想
{netabare}
ようやく、ストーリーに味が出てきた。ちょっと、よくなってきた。

ぶっちゃけ微妙なことも感じはした…具体的に言うと…

{netabare}
これ、けっこうな話だという演出になってはいるが、要するにサイコパス判定ロジックが完全性をもってないという話だよね。これは、フィルタリングロジックの話としては、フィルタリングをけっこう考えている人にとっては、意外と、しょぼい話に思えてしまって……。
ふつう、完全なフィルタリングを実装するのって、現実社会だと変数多すぎて無理ゲーなので、フィルタリング・アルゴリズムって基本的には、ただの補助装置なんだよね。

たとえば、「あにこれ」の作品ランキングとか、「これすご」ランキングも、サイコパスと同様にフィルタリングシステムの一種なんだけども、誰もこれが完璧だ!最高だ!と思って使ってないっしょ?(もちろん、あにこれのフィルタリングの仕組みはまだ、まだ工夫の余地がたくさんあるのだけれども…)

フィルタリング・システムの基本は「参考値」。あとは、より強い使われ方としては「資格」として使われたりはする。
ただ、どんなに強いフィルタリング・システムでも、例外処理ができるようにするのが普通で、例外処理がついてないシステムとか、エラー対応ができなくなるので怖くて使えん。

11話のような形で、実際にシビュラシステムの判定がうまくいかない場合があるということが既知の状態になった場合は、

1.シビュラシステムの通常稼働条件をいったん停止して非常時モードに変更
2.ドミネーターに予め360度ビデオ撮影機能をつけておき、ビデオ撮影モードに変更
3.ことが起こった後に、事後的に銃の使用者の判断が適切であったかどうか、人間の判断によって行う

 という方式に変更するという例外処理をすればいいと思われる。それで解決じゃね。
 基本的には、サイコパスの世界観はディストピアではなく、ユートピアなのだ、という設定のようだけれども、こういうヌルい設定だと、やっぱディストピアじゃね?…と思ってしまう…
{/netabare}

…ということはあるものの、まあ、でも、基本的には演出としてやりたいことはよくわかりました。

「自由であること」の内実をこういう形で描写しようという心意気はよくわかります。

ただ、もうちょっと、抜かりなく表現してくれると、よかったな、という感じ。ファンタジーにしたほうが、私みたいなツッコミを考える人が出てきにくいから、SF設定はよほど自信がない人はあんまりやらないでいてくれたほうが…という気分になったりはしましたが…。
{/netabare}

7話まで見た感想は下記に。
{netabare}
実際の「サイコパス」概念との整合性をどう考えるか、とか。
http://mimikakidesu.blog.fc2.com/blog-entry-21.html
{/netabare}

投稿 : 2013/06/06
閲覧 : 778
サンキュー:

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