hiroshi5 さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
色々良い所があるけど、要はあれだ。篠塚弥生が良過ぎるって話ですわ。
かなり気に入ってしまった。
恋愛ものなのに物語の展開が早いというのと、キャラクター達の心情をきめ細かに描写していた。
キャラクターのセリフは少ないものの、いつも意味深で心の本当の意思を映している。時にはその意味深なセリフは無意味で、その時の表情、態度を良く見ないと判断できない、そんなリアルな女性を演出し切っている。
また、藤井冬弥と七瀬彰の二人の男性も素晴らしい。藤井冬弥は難しい問題から逃避して、他の女性に靡いて、それでも一人の女性を愛するも、その愛さえ怪しくなる。
本当に男性という生き物を見事に再現している。
代わって、七瀬彰は一途な男性という藤井冬弥と似て非なる人物を上手く演じていた。これまたかなり現実的。
澤倉美咲が藤井冬弥に興味があることを露骨に嫌な態度で示すのは視聴者に嫌悪感を抱かせるものの、現実味を味わしてくれる。
複雑な人間関係の中でも私が特に惚れ込んだのは篠塚弥生だ。
彼女の色気といったら半端ない。正直私のストライクゾーンど真ん中で、あの美貌、スタイル、主人公の愛人的ポジション、口調全てが素晴らしかった。
まぁその篠塚弥生のせいで昼ドラアニメと言われるのだろうがw
声優は豪華過ぎるメンツで、特にヒロインである森川由綺(平野綾)と緒方理奈(水樹奈々)が本編中でアイドルという役職についているのが良かった。
両者の歌手としての実力を十二分に発揮できる作品内容になっていた。
また作画演出も少女漫画によくある、柔らかい雰囲気の静止画を挿入することでより物語に強弱を付けられていたと思う。
所々に主人公の内面の気持ちを文章化して表示するのも恋愛アニメならではだと思う。
あの方法は是非他のアニメでも実践してもらいたい。
音楽も良かった。OPは水樹奈々の超有名曲「深愛」。作中のBGMは冬を意識してのことかクラシック系の音楽が中心だった。
そのメロディーラインが実に不規則で、キャラクターの複雑な心を非常に上手く表現していた。
ここまでべた褒めすることも少ないが、本当に物語の完成度は高い。
タイトル通り、前半なので後半を見てみないことには総合的な評価は下せないが、このWHITE ALBUM 前半が秀作であることに間違いはないだろう。
早い展開の恋愛と内心の変化。頻繁に描かれる高校ではなく、大学生の心情を非常に上手く表しているとしか言いようがない。
一つ残念なことを言うと、WHITE ALBUMなのに冬があまり強調されていなかった点だ。
まぁそれはこれからの展開でバンカイして貰うことを期待しましょう。